【1月4日 AFP】米テキサス州ブラウンズビル(Brownsville)に住むヤレジ・アルバラードさん(17)は、早起きして登校用の持ち物をバックパックにそろえる。1歳になる娘、カミラちゃん用の哺乳瓶も用意しなければならない。

「紙おむつとウエットティッシュ、ミルクを用意しないと。それと、大抵は服も。汚しちゃうから」と言う。

 スクールバスにはチャイルドシートがあり、生徒らは子連れで登校している。リンカーンパーク高校(Lincoln Park High School)は、ヒスパニック系の低所得者層が住む地域にある女子校だ。

 同校は、妊娠中または出産したばかりの14~22歳の生徒を受け入れている。授業中は校内にある託児室に子どもを預けることができ、必要に応じて、いつでも託児所で授乳もできる。

 米連邦最高裁判所は2022年、女性の人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェイド(Roe v. Wade)判決」を覆す判断を下した。以来、保守的な州では中絶が禁じられてきた。テキサスもその一つだ。

 同州では、未成年者が避妊薬を服用するには成人の許可が必要とされ、学校での性教育は義務付けられていない。