【11月14日 CNS】来年1月1日は、中国芸術の巨匠、斉白石(Qi Baishi)の生誕160周年記念日だ。現在、世界各地で関連の記念行事が盛大に開催されている。   

 その中の一つ、「凡庸を好まない——斉白石の芸術世界」芸術展が、2023年9月8日から10月10日にかけて、ドイツのベルリン視覚芸術センター(The Center for Visual Arts Berlin)で開催された。この展覧会は、北京画院(Beijing Fine Art Academy)が2023年に開始した「斉白石生誕160周年記念」の世界的な活動の重要な内容の一つだ。紹介によると、斉白石の作品は少なくとも3万点以上あり、今回の展覧会ではその傑作の中から40点以上の高解像度の複製品が展示された。

 展覧会では、扇面、書画帳、巻物、掛け軸、デジタルインタラクティブ装置が用いられ、斉白石の絵画、篆刻、詩歌、書道の造形の展示によって、中国古代の観画の状態が再現され、東洋美学の雰囲気を持つ展示空間が作られた。これにより、観客は詩詠、書道の境地の体験や、耳目を一新させる見学体験を得ることができた。ベルリンのほか、スウェーデンのストックホルム、ラトビアのリガでも斉白石の芸術作品の展示や関連の文化交流活動が実施された。

 中国国内でも関連の記念行事が展開されている。その中の一つとして、11月2日に「第6回中国(湘潭)斉白石国際文化芸術祭」が湖南省(Hunan)湘潭市(Xiangtan)で開催。大衆に書画芸術の魅力を間近で感じてもらうべく、斉白石の各時期の優れたオリジナル作品50点以上、同市の名士や斉白石の師友の代表作品50点以上が一同に展示された。

 斉白石は、国内外で高名な芸術家で、詩、書、画、印の「四絶」を一身に兼ね備えている。彼は花鳥、工筆、人物など多種多様な創作を得意とし、特に写意画は独自のスタイルを確立している。斉白石は特にエビを描くのが得意で、「墨エビ」という代表作がある。

 斉白石は日本とも深いつながりがあった。1922年当時の北京の画壇のリーダー、陳師曾(Chen Shizeng)氏が斉白石の作品を持って日本に行き、日中共同絵画展に参加した。当時、斉白石の「大写意(より大胆に書の筆使いを取り入れた水墨画の手法)」の赤い花と墨の葉、山水、花鳥画は高い評価を受け、人気を博し、展示された作品はすべて高値で売り切れた。日本は斉白石の輝かしい時代の始まりの地とも言える。日本人も斉白石の篆刻印を高く評価しており、人民美術出版社が出版した『斉白石篆刻集』の中の作品には、日本人のために彫られた印章も少なくない。

 北京画院は2018年、3年間の準備を経て斉白石の作品を再び日本に送り、東京国立博物館と京都国立博物館で半年間展示された。この展覧会は「日中平和友好条約」の締結40周年にあたり、中日間の文化交流と相互理解をさらに促進させた。(c)CNS/JCM/AFPBB News