【11月2日 AFP】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は1日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)最大の難民キャンプに対するイスラエル軍の空爆は「戦争犯罪に相当する可能性がある」と指摘した。

 イスラム組織ハマス(Hamas)が実効支配するガザの保健当局によると、イスラエルはガザ北部のジャバリア(Jabalia)難民キャンプをこの2日間で2回空爆し、50人以上が死亡、約150人が負傷した。

 イスラエルは、10月31日の空爆はハマスのイブラヒム・ビアリ(Ibrahim Biari)司令官に対するものだったと発表した。

 だが、OHCHRはX(旧ツイッター)で「ジャバリア難民キャンプに対するイスラエルの空爆は、民間人の死傷者の多さと破壊の規模から、戦争犯罪に相当しかねない不均衡な攻撃ではないかという深刻な懸念を抱いている」と指摘した。

 OHCHRが言及した均衡性原則は、武力紛争時の民間人保護などについて定めたジュネーブ条約(Geneva Convention)の根幹を成している。

 同条約では民間人や民間施設は保護対象とされているが、紛争中に民間人が死亡しても必ずしも戦争犯罪を構成しない。

 従って紛争当事者は、民間人にも被害が及ぶ可能性があると知りながら、軍事目標に対し相応とみなされる攻撃を仕掛けることができる。

 一方、戦争犯罪が成立するのは、民間人を意図的に攻撃した場合、あるいは民間人が受けた被害の規模が軍事的必要性に対して過大な場合とされる。

 国際刑事裁判所(ICC)は、ジェノサイド(集団殺害)、戦争犯罪、人道に対する罪を捜査する唯一の独立した国際司法機関だが、イスラエルは加盟していない。(c)AFP