【10月31日 AFP】スイス・アルプス(Swiss Alps)で29日までの3日間、第1回ラクレット世界選手権(Raclette World Championships)が開催された。

 スイス料理のラクレットは何世紀も前に、山で羊飼いがチーズを直火で温め、溶けた部分を削り取って食べていたのが始まりともされる。

 今回初めて、チーズ製造者や専門家、飲食店経営者が一堂に会し、世界最高のラクレットを作れるチーズを決定する大会が行われ、1万人以上が参加した。

 ラクレットの本場とされる南西部バレー(Valais、バリス:Wallis)州モルジャン(Morgins)村で行われた大会には、90個近いチーズが出品された。大半はバレー産で、そのほかフランス・アルプス地方やスイス各地、ベルギー、カナダ、イタリア、ルーマニアなどで作られたチーズもあった。英国や日本の生産者が次回大会参加に興味を持っているという。

 チーズは村役場の調理室でラクレット専用ヒーターで焼かれ、焦げ目が付く直前の溶け始めた状態で提供された。審査員は見た目、食感、味、香り、そして全体的な印象でチーズを5段階で評価した。

 大会は3部門に分かれており、アルプスの生乳を使ったラクレット部門では、バレーのチーズ製造者アルパージュ・ド・タネー(Alpage de Tanay)が選ばれた。生乳ラクレット部門では同じくバレーのフロマジュリー・ル・ポン(Fromagerie Le Pont)、そのほかのラクレット部門ではオプバルデン(Obwalden)準州のウィスミュラー・メートル・フロマジェ(Wyssmuller Maitre Fromager)が選ばれた。

 会場を訪れた一般参加者には、3万皿以上のラクレットが、4トン分のゆでたジャガイモやピクルス、タマネギと一緒に振る舞われた。

 映像は28日撮影。(c)AFP/Robin MILLARD