【10月28日 AFP】セネガル政府はこのほど、初代大統領で詩人でもあったレオポール・セダール・サンゴール(Leopold Sedar Senghor)の貴重な所持品がフランスで競売に出されるところを阻止した。セネガルは25日、競売会社と「友好的な合意」に達したと明らかにした。

 仏ノルマンディー(Normandy)地方カーン(Caen)で競売に掛けられることになっていたのは、サンゴールと妻が所有していた宝飾品や軍の勲章、他国からの贈答品、金の万年筆など41点。

 しかし、セネガル政府が直接購入について現在の所有者との交渉を求めたため、競売業者は先週、入札を延期。セネガル文化省は23日、26万ドル(約3900万円)で購入することで所有者と合意したと明らかにした。

 セネガル政府は、1960年から1980年まで大統領を務めたサンゴールの「名声と遺産を保存する」ためと説明している。

 サンゴールは、大統領になる前は詩人、作家、教授としても活躍。1930年代に黒人の文化や権利の復興運動「ネグリチュード(Negritude)」を提唱した。第2次世界大戦(World War II)中は、宗主国フランスの軍に入隊。アフリカ人として初めてフランスの権威ある学術団体アカデミー・フランセーズ(Academie Francaise)の会員になった。2001年に95歳でカーン近郊で亡くなった。(c)AFP