【10月25日 AFP】ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は24日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)による7日のイスラエルへの「テロ攻撃」は、ガザで「数百万人もの罪のない人々」を殺害する正当な理由とはならないと主張した。

 ルラ氏はSNSで毎週ライブ配信している演説で、「ハマスがイスラエルに対してテロ攻撃を行ったからといって、イスラエルが数百万人もの罪のない人々を殺す必要はない」と述べた。

 ルラ氏は、今回のハマスとイスラエルの一連の衝突は国連(UN)の「弱さ」を露呈したと指摘。「国連にもっと力があれば、(停戦の仲介役として)もっと大きな役割を果たせるはずだ」と述べた。ブラジルは現在、国連安全保障理事会(UN Security Council)の輪番議長国を務めている。

 さらに、イスラエルに包囲されているガザに人道回廊を設置し、「イスラエルが領土を維持し、パレスチナ人も独自の領土を持つ」ことのできる和平協定を仲介するための協議の開催を呼び掛けた。

 イスラエル当局によると、ハマスの攻撃では1400人が死亡、200人以上が拉致された。イスラエルは報復としてガザ地区に攻撃を開始。ガザ保健当局によれば、同地区ではこれまでにパレスチナ人5791人が死亡した。(c)AFP