【8月20日 AFP】北朝鮮は19日、国連安全保障理事会(UN Security Council)が同国の人権状況を協議する公開会合を開いたことを非難し、証言を行った脱北者を「人間のくず」と罵倒した。朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた。

 安保理は17日、北朝鮮は国民が飢えや必需品の不足に直面しているにもかかわらず、核兵器開発計画に多額の資金を費やしているとして責任を追及した。

 会合では脱北者の男性が、幼い頃から無報酬で畑仕事を強いられ、収穫物は軍に送られたと証言。「政府はわれわれの血と汗を、指導者の裕福な生活とミサイルに変えている。私たちの重労働の結晶を空に飛ばしている」「たった1発のミサイルに費やされた金額で、国民を3か月食べさせることができたのに」と述べた。

 KCNAによると、朝鮮人権研究協会(Korea Association for Human Rights Studies)の報道官は、会合は国連憲章の精神に対する「侮辱と侵害」だと批判。「(北朝鮮は)安保理が同国の人権状況を協議する公開会合を開いたことを強く非難し、拒否する」「国民は、自らの人権状況をよく理解しており、自ら適切に評価している」と述べた。

 また、証言を行った脱北者について「下劣な命を守るためだけに、祖国や両親、妻子を捨てて逃げ出した人間のくず」と罵倒した。(c)AFP