【8月9日 CNS】第31回ユニバーシアード夏季競技大会が、中国・四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)で開幕した。中国西部で開催される初の国際総合スポーツイベントであるユニバーシアード成都大会は、青少年スポーツのブームを巻き起こし、長い歴史を持ち謎に満ちた古代王朝「古蜀」についての関心を広めた。

 古蜀の金沙遺跡は2001年に成都市街地で発見され、約3000年前に上流域で栄えた古蜀の都跡であることが判明した。この遺跡からは、黄金でつくられた「太陽神鳥」の装飾品なども出土している。

 古蜀の金沙遺跡にちなみ、ユニバーシアードのメインスタジアムである東安湖運動公園の屋根には、1万2540枚の伝統的なガラス細工で巨大な「太陽神鳥」がつくられた。「太陽神鳥」は、聖火のデザインから開会式のチケット、メダルのリボンに至るまで、随所にあしらわれている。

 金沙遺跡から出土した遺物から判断すると、成都はすでに数千年前から外国との交流や文明の融合にとって重要な拠点だったことが分かる。出土した青銅器や玉器からは、中国中央の中原や長江下流の文化と似ている点も見て取れる。

 神政や王権を表す棒や黄金のマスクも出土しているが、これらは古代メソポタミア文明、古代エジプト文明、古代ギリシャ文明とも類似している。

 中国の学界では、古蜀は約4000年前には成都から南のシルクロードを通じて、海外とも貿易を行っていたほか、海外の文明と交流しながら独自の文明を形成していたと考えられている。(c)CNS/JCM/AFPBB News