【7月30日 CNS】中国の大手オンライン旅行会社の「途牛(Tuniu)」のデータによれば、今年の夏休みにおける利用者の旅行距離と旅行日数には著しい増加傾向が見られる。旅行距離については、中国国内長距離旅行が利用者の61%を占めている。次いで、小旅行と海外旅行が19%と20%となっている。

 旅行者の個性化・多様化する要求に応えるため、人気のある避暑地は新たな旅行体験を積極的に模索しており、文化・観光のデジタル経済、スマートツーリズム、文化・芸能、探究学習旅行などの経済業態を拡大し、企業産業構造を改善し、多様な発展を促進し、新たな経済成長のスポットを形成している。

 近年、探究学習旅行は次第に人びとが注目するところとなり、夏休みは探究学習市場が力強く回復する絶好の機会となっている。中国の大手オンライン旅行会社の携程(シートリップ、Ctrip)のデータによれば、7月の探究学習旅行商品の注文数は6月比で4倍も増加している。

「遛娃(子供を連れて外出する)」の需要が消費の成長の新たな要因となっている。旅行者の構成を見ると、中国大手旅行サイトの去哪儿(Qunar)では、18歳以下と34〜43歳の二つのグループが最も多く、合計すると5割以上を占め、その中で子供の割合は10%に達している。

 中国作家エージェント・プラットフォームの華文未来(Huawen Weilai)の創始者の余一途(Yu Yitu)氏によれば、探究学習旅行が人気となっている理由は、教育観念の変化にある。単なる学習塾だけでは子供の全面的な成長のニーズを満たすことはできないと認識し始めている保護者がどんどん増えている。探究学習旅行は楽しみながら学ぶ方法を提供し、学習の質と効率を向上させることができるという点で重要視されている。

 中国旅行研究院(China Tourism Academy)が先日発表した『全国避暑旅行発展報告』によると、中国の避暑旅行と関連市場の規模は1兆2000億元(約23兆6900億円)から1兆5000億元(約29兆6126億円)に達している。続く炎天下の日々で、避暑旅行は中国の「夏の経済」の新たな成長分野となっている。

「十年近くの発展により、避暑旅行は概念導入の段階を終え、政策推進と商業実践の新たな段階に入っている」と、中国旅行研究院の戴斌(Dai Bin)院長は述べている。

 戴院長は、この夏休みは避暑、探究学習、健康・養生の三つの細分化された市場に特に注目する価値があると記者に説明した。「全国的な高温の天候に直面し、人々の避暑需要は以前よりも強力になっている。各地の避暑旅行サービスもより充実している。また、注目されている探究学習旅行市場は山水の自然景観だけでなく、文化、科学技術、スポーツなどの分野でもこの流れをとらえなければならない」と、戴院長は述べている。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News