【7月2日 CNS】最近、中国の貴州省（Guizhou）榕江県（Rongjiang）で「村超（Cun Chao）」と呼ばれるサッカーリーグが非常に盛り上がっている。このリーグは同県の住民によって自発的に組織されたもので、毎試合数万人の観客を集め、関連する動画は中国のソーシャルメディア・アプリの抖音（Douyin）で数億回以上再生されている。

「村超」の正式名称は「貴州榕江和美郷村サッカースーパーリーグ」だ。これは中国の公式なサッカーリーグではない。中国のネットユーザーは「イングランドプレミアリーグ」と「中国サッカー・スーパーリーグ」に倣って、「村超」と名付けた。試合は今年の5月から7月まで行われ、毎週金曜日から日曜日にかけて開催。1日に3～4試合が夕方から深夜まで連続で行われる。

「村超」が注目を集めるのは草の根の特徴だ。この大会には職業や年齢の制限がない。今年の参加チームは20チームで、選手には地元の建設労働者、露天商、レンガ職人、農民、教師、学生などが含まれ、年齢も15歳から40代までさまざまだ。

「村超」は単なるサッカーの試合に留まらず、民族文化の狂宴でもある。民族衣装を身に纏った応援団が歌や踊り、どらや太鼓を打ち鳴らして場外の活気を表現し、熱狂的な応援を行う。民族の特色溢れるエネルギーに満ちた雰囲気は、訪れる人々に喜びをもたらす。

　特筆すべきは、榕江県および黔東南ミャオ族トン族自治州（Qiandongnan Miao and Dong Autonomous Prefecture）における経済への影響が観光業や夜市経済に表れていることだ。中国のオンライン旅行プラットフォームの携程（シートリップ、Ctrip）のデータによれば、今年の端午節（端午の節句）の休暇期間（6月22～24日）において、榕江県の地元ホテルの予約数は前年比で11倍以上増加し、一部では今後数週間の週末の予約が満杯となっている。これは現地の歴史上初めてのことだ。

　中国の業界関係者は、「村超」は外部からの注目に値すると考えている。そのあふれる活気と、庶民との非常に近い距離感のため、人びとに愛されているからだ。実際、そのブレイクは、中国の小さな町の多彩な生活を人びとに示すだけでなく、中国の農村文化の新たな考えを喚起している。

　中国の農村振興の推進に、標準的な答えはない。農村振興の推進にはサッカーリーグやバスケットボールリーグのようなスポーツイベントを利用することもあるが、そのための方策は場所や人によって異なり、統一された形式はない。しかし、ここで示された草の根の特徴は、同じような開放性と活力を表しており、この「現地にあった」スタイルは「人気の秘訣」で、小さな町のイメージと競争力を形作るのに役立っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News