【8月3日 AFP】ペルーで見つかった4000万年近く前に生息していたクジラの一種の部分化石を調査したところ、史上最大の生物であった可能性が浮上している。英科学誌ネイチャー(Nature)に2日、ペルーと欧州の古生物学者チームが論文を掲載した。

 この古生物は「Perucetus colossus(ペルーの巨大クジラ)」と名付けられ、重さは最大340トンと推定されている。これまで史上最大の生物はシロナガスクジラとされ、ギネス世界記録(Guinness World Records)には190トンの個体が登録されているが、それを大幅に上回ることになる。

 調査に携わった古生物学者らによると、体重は85~340トン。平均で180トンとみられる。体長は20メートル程度と推定されている。

 最初の化石は2010年、ペルー南部の海岸地帯の砂漠で数十年にわたって調査してきた古生物学者のマリオ・ウルビナ(Mario Urbina)氏が発見した。これまでに脊椎骨13個と、肋骨(ろっこつ)4本、寛骨(かんこつ)1個が見つかっている。脊椎骨の一つは重さ200キロ近くあった。

 ウルビナ氏が見つけた化石は、首都リマの自然史博物館(Natural History Museum)で初めて一般公開された。同氏らのチームは、化石をさらに収集して全体像を把握するには少なくとも数年を要するとしている。(c)AFP