【6月17日 AFP】自転車ロードレースのバーレーン・ヴィクトリアス(Bahrain Victorious)に所属するジーノ・メーダー(Gino Mader、スイス)選手(26)が16日、ツール・ド・スイス(Tour of Switzerland)で遭遇した転落事故のけがで死亡した。

 メーダー選手は、15日に行われた第5ステージの高速の下り坂で転倒した。スイスのフィエッシュ(Fiesch)からラプント(La Punt)を走破する同ステージでは、標高2000メートル以上の峠が3か所あり、その難所を越えた後の事故だった。

 大会主催者によると、メーダー選手は道路下の谷底の「水中で生命反応がない状態で」発見され、即座に蘇生処置が行われた後、空路でクール(Chur)の病院へ搬送されたという。

 しかし翌日、バーレーン・ヴィクトリアスは「ジーノは重傷から回復するための闘いに敗れた」と発表し、「この悲劇的な事故にチーム全体が打ちのめされている。この極めて困難な時期において、私たちの思いと祈りはジーノの家族とその愛する人々とともにある」と述べた。

 今季はパリ~ニース(Paris-Nice 2023)で総合5位に入るなど幸先の良いスタートを切っていたメーダー選手に対し、サイクリング界から追悼の言葉が相次いだ。

 通算2度のツール・ド・フランス(Tour de France)制覇を誇るタデイ・ポガチャル(Tadej Pogacar、スロベニア)は、「安らかに眠れ。君が恋しくなる」とインスタグラム(Instagram)に投稿。今年のジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia 2023)で総合優勝を果たしたばかりのプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)は、「言葉が出ない」とツイートした。(c)AFP