■「耐え、生き残り、勝利する!」

 黒熊学院の運営は、台湾防衛に巨額の私財を投じている富裕な企業家たちの資金で賄われている。台湾初の半導体メーカー、UMCの創始者である曹興誠(Robert Tsao)氏もその一人だ。

 2022年8月、中国が米国のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長(当時)の台湾訪問に反発し、周辺の海空域で大規模な軍事演習を行うと、曹氏は国防基金の創設を発表した。

 台湾の軍事費が拡大する中、黒熊学院はその一端を担うために300万人を訓練するという、野心的な目標を掲げている。今夏には、オンライン講義も提供し、よりスピーディーに目標を達成したい考えだ。

 銃を手にした台湾のツキノワグマが表紙に描かれたハンドブックには、次のようなメッセージが記されている。「お金がなくても、ガスがなくても、お湯がなくても、明かりがなくても何とかなる。だが自由は必要だ」「われわれはすべてに打ち勝つ。耐え抜き、生き残り、勝利する!」 (c)AFP/Yan ZHAO / Jack MOORE