【4月16日 AFP】北欧の伝承に登場する妖精の一種トロルの木でできた大きな作品で知られるデンマーク人美術作家が、このほど最新作を発表した。作品は地球上のどこかで展示されており、人々がその設置場所を突き止めようと探している。

 手の込んだやり方で作品を発表したのは、美術作家のトーマス・ダンボ(Thomas Dambo)さん。最新作は、自身が手掛けた100体目のトロルで、タイトルは「Moon Mother」。この新たなトロルについては、出産のために「森の最も秘密めいた場所にもぐりこんだ」と説明した。

 スカンディナビア(Scandinavia)の民話に触発されてトロルを制作してきたダンボさんの作品は、大人から子どもまで自然に触れてもらいたいとの思いから、多くが人里離れた場所に設置されてきた。

「Moon Motherを見つけるためには、これまで世界各国で発表した作品の近くに残されたコードをすべて集める必要がある」とダンボさんは言う。

「今回は特に秘密めいた作品にしようと思った。これまでの作品をたどる、難解な宝探しのようにしたかった」とAFPに語った。

 ダンボさんがトロルをテーマに作品制作を始めたのは2014年だ。作品の多くは、母国デンマークと米国に設置されているが、中にはドイツの森や韓国の山の中に置かれたものもある。

 過去に発表された作品については、ダンボさんの公式ウェブサイトに掲載されている「トロル地図(Troll Map)」で確認することができる。ただ、最新作だけは、これまでの99作品の横に設置されたプレートに記載されているQRコードを確認し、その全てをトロル地図に入力しないと分からない仕掛けになっている。ファンが協力する形で全てのQRコードを入力した後は、なぞなぞを通じて作品の場所が判明する仕組みだ。

「暗号の要素が少しあり、少し難しいと思う」とダンボさん。