■秘密の場所

 最新作をめぐっては秘密裏に準備する必要があったため、ダンボさんは細心の注意を払いながら作業を進めた。作品制作に携わったチームのメンバーにも最終段階になるまで設置場所を教えず、また制作現場へのルートも毎回変更した。

 AFP取材班も、外が見えないよう窓ガラスが覆われた車両に乗せられて現場へと向かい、そこで完成したばかりのMoon Motherと対面した。

■材料はほぼ廃棄物

 ダンボさんは「リサイクルアーティスト」として知られており、作品に使われる材料は、リサイクルされた廃棄物がほぼすべてを占める。最新作でも、顔の材料として使われたオーク材は、デンマークの床材会社から出たスクラップだ。

「廃棄物を使って制作するのがいい。廃棄物は宝物だ」と話す。

 ダンボさんは、自身の作品に対して「廃棄物は汚いものではなく、価値のないものでもないと訴えるムーブメントの一部になれば」との思いを込めた。

「廃棄物でできた作品にも、多くの人たちを宝探しに向かわせる価値があるのだから」

 映像は3月23日撮影。(c)James BROOKS