【4月10日 AFP】(更新)男子ゴルフのメジャー第1戦、第87回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2023)は9日、米ジョージア州オーガスタのオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club、パー72)で3日目の残りと最終日が行われ、ジョン・ラーム(Jon Rahm、スペイン)が通算12アンダーで逆転優勝を果たした。

 ラームは終盤にプレッシャーのかかるショットを決め、2021年の全米オープン選手権(2021 US Open Championship)に続く自身メジャー2勝目を挙げるとともに、世界ランキング1位返り咲きも決めた。

 前日首位のブルックス・ケプカ(Brooks Koepka、米国)が崩れる中で、ラームはミスのない堅実なゴルフを披露。最終日に「69」をマークしてスコアを3ストローク伸ばし、ケプカとメジャー7勝目を狙ったフィル・ミケルソン(Phil Mickelson、米国)を4打差2位タイに抑えた。

 メジャー3勝のジョーダン・スピース(Jordan Spieth)、2018年大会覇者のパトリック・リード(Patrick Reed)、ラッセル・ヘンリー(Russell Henley)の米国勢3人が5打差4位タイに入った。2021年大会覇者の松山英樹(Hideki Matsuyama)は、最終日「75」とスコアを三つ落とし、通算2アンダーの16位タイだった。

 ラームはこれで今季ツアー4勝目。脳腫瘍により2011年に54歳で死去した故セベ・バレステロス(Seve Ballesteros)、ホセ・マリア・オラサバル(Jose Maria Olazabal)、セルヒオ・ガルシア(Sergio Garcia)に続くスペイン選手4人目のマスターズ覇者となり、「本当に光栄だ」と話した。

 40年前にマスターズ2勝目を挙げたバレステロス氏が力をくれたというラームは、「自分にとって、彼が勝利してから40年の節目で、彼の誕生日でもあった復活の主日(Easter Sunday)に優勝を成し遂げられたのは、とてつもなく大きな意味がある」とコメント。グリーンジャケット着用のセレモニーを「安らかに、セベ」という言葉で締めくくった。

 優勝を決めた後の18番グリーンのそばでは、オラサバル氏と感動的な抱擁を交わす場面もあった。ラームは「これからもっと勝つのを期待していると言われたよ」と話し、「二人でセベの話をした。あと10秒しゃべっていたら、どちらも泣き出していたと思う」と明かした。

 一方のケプカは4打差の暫定首位から出たが、3日目の続きの段階から苦しんだ。LIVゴルフリーグ(LIV Golf League)組のケプカは前週の同リーグ第3戦で優勝し、また54ホールを終えて首位だった過去3回のメジャーでは、すべて優勝を果たしていたが、今回は逆転を許した。

 同じくLIV組の52歳のミケルソンは、ケプカと10打差で最終ラウンドをスタートし、メジャータイ記録、マスターズでは史上最大となる最終日の逆転劇を目指したが、優勝には届かなかった。それでも、最終ラウンドにマークした「65」は50歳以上の選手では大会史上最少スコアで、5位以内でフィニッシュした中では歴代最年長という記録をつくった。

 メジャー通算15勝のタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)は、足の負傷により、3日目の再開前に大会を棄権。ツイッター(Twitter)に「足底腱(けん)膜炎が悪化し、棄権することになり残念」と書き込んだ。(c)AFP