【11月15日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席とオーストラリアのアンソニー・アルバニージー(Anthony Albanese)首相は15日、インドネシアで開催中の20か国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて会談した。悪化していた両国関係について習氏は、改善の必要性を強調し、アルバニージー氏も会談は「前向きで建設的だった」と発言。関係改善への大きな転機を示すものとなった。

 両国の首脳は、日本で2019年に開催されたG20サミットで短時間接触したが、公式的な会談は6年近く途絶えていた。

 習主席は、かつての良好な両国関係は「大事に育んでいく価値があるものだ」との見方を示し、「われわれは関係を改善して維持し、発展させるべきであり、これは両国民の根本的な利益に合致する」と述べた。

 豪州政府は先に、会談で直ちに関係改善につながることはないとし、直接会談そのものが成果になるとの見解を示していた。「われわれにはこれまで相違があった」と認めたアルバニージー首相は、「きょう、この会談を実現できて喜ばしい」と述べた。

 オーストラリアは中国による影響力工作を排除する法律を制定し、中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ、Huawei)の5G(第5世代移動通信システム)参入を禁止した。中国政府はこうした動きに反発し、豪州の産品に報復的な措置を科したほか、閣僚レベルの接触を凍結し、両国関係は1989年の天安門(Tiananmen)事件以来、最も悪化していた。(c)AFP/Andrew BEATTY