【9月7日 AFP】20F1第8戦イタリアGP(Italian Grand Prix 2020)は6日、決勝が行われ、アルファタウリ(AlphaTauri)のピエール・ガスリー(Pierre Gasly)がクラッシュやペナルティー、セーフティーカーの影響で全く予想がつかないものになった大荒れのレースを制し、初優勝を果たした。

 チャンスをつかみ、終盤にはマクラーレン(McLaren)のカルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.)からのプレッシャーに耐えたガスリーは「本当にクレイジーなレースだった」と振り返った。

 アルファタウリ勢の優勝は、雨の中で行われた2008年の同グランプリを制した前身トロ・ロッソ(Toro Rosso)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)以来12年ぶり、通算2度目となる。

 前日の予選でポールポジションを獲得したメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、優勝に向けて順調にレースを進めていたが、ピットレーンが閉まっているときにピットに入ってしまい、10秒間のストップ&ゴーペナルティーが科されたため、集団の後方に順位を下げた。

 昨季、姉妹チームであるレッドブル(Red Bull)からトロ・ロッソ(今季からアルファタウリに名称変更)に降格となったガスリーは、マシンから降りると喜びを爆発させた。フランス人ドライバーの優勝は、1996年のモナコGP(Monaco Grand Prix)を制したオリビエ・パニス(Olivier Panis)氏以来、24年ぶりとなる。

 24歳のガスリーは「率直に言って信じられない」とコメントした。「今起きていることが理解できない。この18か月はいろんなことを経験してきた。言葉がない」

 来季はフェラーリ(Ferrari)に移籍することが決定しているサインツは、今季初の表彰台獲得に「がっかりした気持ちが半分」と述べた。

 3位にはレーシングポイント(Racing Point)のランス・ストロール(Lance Stroll)、4位にはマクラーレンのランド・ノリス(Lando Norris)、5位にはメルセデスのバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)、6位にはルノー(Renault)のダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)が入った。

 ペナルティーを科されたもののハミルトンは7位でのフィニッシュとなり、連続ポイント獲得記録を41戦に伸ばした。ドライバーズ選手権で首位を独走するハミルトンは、チームメートのボッタスに47ポイント差をつけている。

 ファステストラップを記録したハミルトンの後には、ルノーのエステバン・オコン(Esteban Ocon)、アルファタウリのダニール・クビアト(Daniil Kvyat)、レーシングポイントのセルヒオ・ペレス(Sergio Perez)が続いた。

 フェラーリにとっては今回も散々な週末となり、昨年の大会でポールトゥウィンを飾ったシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)は、高速のままクラッシュを起こしリタイア。ルクレールは無事だったものの、このクラッシュによって赤旗が振られ、レースは25分の中断となった。

 さらに、今季限りでフェラーリを離れることになっているベッテルはブレーキのトラブルで、レッドブルのマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)もエンジンの問題でともにリタイアを強いられる結果となった。(c)AFP