■フェニックスさんのタキシード着回しに嘲笑の声

 大量のCO2が排出される映画制作では、有名俳優らが排出量削減を要求するのが最も効果的だとエクワゼル氏は話す。

「ゴールデン・グローブ賞授賞式の出席者のように力や資金を持つ人々が、CO2を大幅に削減する上で最も経済的影響力を持っている」と同氏は指摘する。

 また、現状改善のための方法としては、撮影現場で再生可能エネルギー(電気)を使用することを挙げ、移動や撮影現場で出される食事の容器を問題点として指摘した。

 一方で、こうした現状の中、一部のセレブらの善意が無にされてしまうこともあるのかもしれない。

 ファッションデザイナーのステラ・マッカートニー(Stella McCartney)氏は、フェニックスさんが「無駄を減らすため授賞式シーズン中ずっと」同氏デザインの同じタキシードを着ると決めたことについて、ツイッター(Twitter)で喜びを表したが、一部の人々からは嘲笑の声が上がった。

 ゴールデン・グローブ賞授賞式で司会を務めたリッキー・ジャーヴェイス(Ricky Gervais)さんは、「そんなの大したことじゃない。私は自分の靴下を繕っているし、他にも見てほしいな。私のパンツがどんな状態か」とコメントしている。

 フェニックスさんのつましい努力によってCO2排出量はどのくらい削減されるのかカルマス氏に聞いたところ、同氏は「Tシャツとジーンズを着ている科学者にとっては難しい質問だ」としつつ、「私は排出量ゼロを目指している」と答えた。(c)AFP/Andrew MARSZAL thrifty wardrobe