【6月22日 AFP】コパ・アメリカ(2019 Copa America)に日本とカタールが招待国として出場することは一部で驚きの声が上がっていたかもしれないが、このアジアの2か国はすでに単なる数合わせでブラジルに乗り込んだわけではないと証明している。

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 グループBのカタールは、初戦のパラグアイ戦で0-2の劣勢を跳ね返して2-2で引き分けた後、2戦目のコロンビア戦では終盤にドゥバン・サパタ(Duvan Zapata)のゴールを許して惜しくも勝ち点1を逃した。

 一方、メンバーが若手中心で経験の少ない日本は、グループCの初戦でチリに4-0で完敗する厳しい現実に直面した後、次のウルグアイ戦ではビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)による2度の疑惑の判定に泣かされて2-2で引き分けた。

 両チームはここまでそれぞれのグループで勝ち点1にとどまっているものの、グループステージ最終戦で勝利を収めれば、決勝トーナメント進出の可能性が残されていることを認識している。

 日本はチリに対してゴール前での決定力の無さの代償を支払い、守備の甘さも露呈したが、選手を入れ替えて臨んだウルグアイ戦の後、チームを率いる森保一(Hajime Moriyasu)監督は、「選手たちは試合で多くの勇気を示した」と話し、「トップ」チームに対する日本の「果敢な精神」を称賛した。

 ウルグアイは初戦で10人のエクアドルに4-0で大勝したが、日本戦では2度リードを許しながらの引き分けとなった。物議を醸した判定によるPKでチームに同点ゴールをもたらしたルイス・スアレス(Luis Suarez)は、通算15回の大会制覇を誇るウルグアイが日本を侮っていたわけではないとして、「先日のチリ戦の結果はうのみにできないと分かっていた」と語った。

 今大会の日本代表は、来年開催される東京五輪に出場が見込まれる23歳以下の選手が中心で、森保監督が先月発表した最終メンバー23人のうち、17人がこれまでA代表の出場経験がない選手だった。

 大会前の2度の親善試合と今大会の2試合で、そのうち9人が代表デビューを果たした日本だが、そうした経験不足の布陣にもかかわらず、そのスピードとひたむきなプレーに加え、攻撃への意欲には目を見張るものがあった。

 一方のカタールを率いるフェリックス・サンチェス(Felix Sanchez)監督は、「ピッチでは頭角を現す選手が必要だ。うちの選手たちはその資質を持っている」とすると、アジア王者であるチームは「決して諦めない」と付け加えた。

 カタールは23日に行われるグループ最終戦で、リオネル・メッシ(Lionel Messi)が精彩を欠いている中で、ここまでちぐはぐで退屈なプレーを続けているアルゼンチンと対戦する。

 多くのファンが今大会で最も弱いのはカタールと日本であると考えている中、両チームはあっさり負けるようなチームでないことを示している。(c)AFP/Jordi MIRO