【6月7日 AFP】サッカー女子W杯フランス大会(FIFA Women's World Cup 2019)で優勝を果たし、国民的英雄になることを目指すイングランド代表のFWベス・ミード(Beth Mead)は、チームが英国海兵隊の訓練に参加して野外で一夜を明かしたことで、自分たちにかかるプレッシャーをより広い視野で捉えることができるようになったと明かした。

 9日に行われるスコットランドとのW杯初戦まで2週間少しと迫った先月22日の夜、イングランドを率いるフィル・ネビル(Phil Neville)監督は、選手たちを一風変わった海兵隊の訓練所に連れて行った。

 男子のイングランド代表も昨年に同様の経験をしており、その後チームはW杯ロシア大会(2018 World Cup)で準決勝進出を果たした。

 今季、7シーズンぶりのリーグ優勝を飾ったアーセナル(Arsenal)女子チームのスター選手であるミードは、「携帯電話などあらゆる物を取り上げられた」と振り返った。

「チームづくりの訓練を数多くこなした。夜になると自炊をしなければならず、食材の入った小さな包みを火の上で温めて、その包みを開けなければならなかった。そして、隙間もないテントで眠った」

「キャンプファイアを囲んで座り、チームメートと一緒に歌った。イングランド代表の仲間と、これまでで一番長く一緒にいたかも」

 15年のW杯と17年の欧州女子選手権(UEFA Women's Euro 2017)の準決勝で敗退し失望を味わったイングランドは、チーム史上初となる主要国際大会での優勝を目指している。

 しかしミードは、戦闘中に体の切断を余儀なくされた人もいるという海兵隊での訓練を経験したことで、今後数週間のうちに直面するいかなる問題も、長い目で見ればちっぽけなものであることが分かったと述べた。

「あそこには両脚を吹き飛ばされた男性たちもいた」「鼓舞された。ピッチに立っているときの自分たちは勇敢だと思っている。体の半分を失い、それが生活の一部になっているような人が周りにもいる。現実を教えてくれた」

「小さな悩みがあることを嘆いたり、傷ができて脚が痛んだりするとき、物事をより広い視野で捉えることができるようになった。チームにとって良い経験になったと思う」

 W杯でグループDに入ったイングランドは、19日に日本との対戦も控えている。(c)AFP