■「英国にとって大きな見せ場」

 新探査車は欧州宇宙機関(ESA)とロシア国営宇宙企業ロスコスモス(Roscosmos)が協力して進めている火星探査計画「エクソマーズ(ExoMars)」の一環で、2021年に火星に着陸する予定になっている。エクソマーズは、米国が実施した同様の3つの探査ミッションの後に続く形となる。

 計画について、ESAの有人・無人探査を統括するデービッド・パーカー(David Parker)氏は、この6輪の探査車を用いて「地球外の生命の痕跡を探す」予定であることを明らかにし、「火星上で原始的生命を見つけることができるだろうか」と続けた。

 この疑問に答えることを目的に、探査車は土壌のサンプルを採取して分析を行う。掘削する深さは火星表面から約2メートルとなる見通しだ。

 探査車は、動力に太陽光発電を利用し、光学センサーを使って移動する。また科学者らによると、基本的な問題に対して独自に判断を下せるよう、ある程度の「知能」を搭載する計画だという。

 今後、探査車は第1段階として、地球から火星まで5500万キロ以上の距離を飛行する間の極端な温度や振動に耐えられるかを確認するため、一連の厳しいテストを受ける予定だ。

 計画を推し進めるに当たりスキッドモア科学相は、「これは英国の科学にとって大きな見せ場となる」としながら、「英国は欧州連合(EU)を離脱しようとしているが、ESAからは離脱しない」と話した。(c)AFP/Pauline FROISSART