【1月31日 AFP】アジア・サッカー連盟(AFC)は30日、第17回アジアカップ(2019 AFC Asian Cup)の準決勝で、カタールにリードを許したアラブ首長国連邦(UAE)のファンがピッチ上に靴やボトルを投げ込んだことを受け、「徹底的な調査」を確約した。

 UAEが0-4で敗れたこの一戦では、カタールの2点目が決まり選手たちが喜んでいると、ピッチ上にはペットボトルが次々と放り込まれ、アラブ諸国で侮辱とされる履物の投げ入れ行為もあった。

 物が投げ込まれたため、カタールのアクラム・アフィフ(Akram Afif)はCKを蹴るまで2度も待たねばならず、カタールの3点目が決まると、投げられたものがサレム・アル・ハジリ(Salem Al-Hajri)の頭を直撃。さらに、カタールのGKサアド・アッシーブ(Saad Al-Sheeb)が守るゴールのバーにもボトルが当たった。

 AFCの広報担当者はAFPに対し、「(準決勝で起きた)出来事について徹底的な調査を行っている」と話した。「調査が完了すれば、われわれは取るべき適切な処置を決める」

 この黒星は、複数の国がカタールと断交する中、同国とにらみ合いの状態が続いているUAEにとって非常に恥ずかしい結果となった。断交中の国々はカタールがテロ組織を支援していると主張しているが、カタールはこれを否定している。

 アブダビ首長国はこの試合の売れ残っていたチケット数千枚を買い占め、UAEのファンに配布した。これにより、ムハンマド・ビン・ザーイド・スタジアム(Mohammed Bin Zayed Stadium)に押し寄せた4万2000人のほとんどが、UAEを応援することになった。

 一方、2022年W杯(2022 World Cup)の開催国であるカタールは、試合前の国歌斉唱でUAEのファンからブーイングや指笛を浴びせられたが、一方的な展開で初の決勝進出を果たした。

 カタールのDFペドロ・コレイア(Pedro Correia)は「誰もがこの問題を知っているが、われわれは気にしていないし、ただプレーしているだけ」とAFPに話している。「話をさせておけばいい。4-0で勝ったということがより重要だ」 (c)AFP