【1月30日 AFP】第17回アジアカップ(2019 AFC Asian Cup)は29日、準決勝が行われ、カタールが開催国のアラブ首長国連邦(UAE)に4-0で完勝し、初の決勝進出を決めた。しかし、政治色が強い両国の一戦では、靴を投げ込むといったファンの悪行が影を落とした。

 ブーアッラーム・フーヒー(Boualem Khoukhi)、アルモエズ・アリ(Almoez Ali)、ハサン・アル・ハイドゥース(Hasan Al-Haydos)、ハミド・イスマイル(Hamid Ismaeil)のゴールで勝利したカタールは、来月1日に決勝で日本と対戦する。

 白星を手にしたカタールだが、試合前の国歌斉唱ではUAEのファンからブーイングを浴びせられたほか、試合後に1大会での最長記録となる6試合連続無失点での一勝を喜ぶ中、腹を立てた地元のファンからペットボトルを投げつけられた。こうした恥ずべき行為はカタールが得点を奪うたびにみられ、3点目の後にはサレム・アル・ハジリ(Salem Al-Hajri)の頭にボトルが直撃した。

 カタールのフェリックス・サンチェス(Felix Sanchez)監督は「簡単な状況ではなかった」と振り返った。「選手たちは大きなプレッシャーがかかるであろうことを理解していたが、非常にうまく自分たちの感情をコントロールした。彼らのことを誇りに思う」

 一方、UAEのアルベルト・ザッケローニ(Alberto Zaccheroni)監督は試合後に辞任する意向を示した。

 2011年大会で日本を優勝に導いたザッケローニ監督は、「自らの指導力について謝罪する」「この試合の繊細さが結果に何かしらの影響を与えたとは思わない。単純に自分たちの目標達成に失敗した」とコメントした。 (c)AFP/Alastair HIMMER