【12月20日 AFP】不正防止機関「テニス・インテグリティ・ユニット(TIU)」は19日、競技の腐敗に対処していくための徹底的な対策が必要であるとの報告書を発表した。

 テニス界の不正行為に対処するため、各統括団体が2016年に指名した弁護士のアダム・ルイス(Adam Lewis)氏を中心とする独立調査委員会(IRP)は、約3年にわたる調査でまとめた最終提案書を発表した。

 その中でテニス界が確実に実行すべきと勧告されているのは、賭博関連の不正を減らすためのライブデータ販売の制限、ベッティング事業者からのスポンサー料受け取りの禁止、そしてTIUの再編成。報告書では「現在直面している問題に対処する簡単な解決策や万能薬は存在しない」と述べられている。

「それよりも必要なのは、テニス界が抱える問題の根本原因に対処する処置だ。すなわち、ベッティング市場の現場への呼び掛けや制限に加え、インテグリティーの侵害を阻止・防止したり、実際に問題が発生した時に検出・処罰したりするシステムを改善することだ」

 男子プロテニス協会(ATP)、女子テニス協会(WTA)、国際テニス連盟(ITF)、そして四大大会(グランドスラム)の主催者は共同で「われわれはすでに、2018年4月に発表されたIRPの中間報告書で示されていた草案に基本合意しており、調査委員会による最終提案を速やかに実施するため、共同していくつもりだ」と述べた。(c)AFP