【8月11日 AFP】リオデジャネイロ五輪で、飲酒を理由に体操オランダ代表からの除名処分を受けたユーリ・ファン・ヘルダー(Yuri van Gelder)が、15日の決勝への出場を目指し、法的措置を検討していることが分かった。

 ファン・ヘルダーの弁護士は10日、オランダ通信(ANP)に対し、五輪復帰の具体的な方法はまだはっきりしていないものの、「最良の方法を模索している」と語った。

 2005年の世界体操競技選手権(Artistic Gymnastics World Championships 2005)男子種目別つり輪で金メダルを獲得し、「ロード・オブ・ザ・リング(Lord of the Rings)」の異名を持っていたファン・ヘルダー。33歳にしてついに夢の五輪初出場を果たし、6日の予選を8位で通過、決勝進出を決めていた。

 だが、オランダ選手団の厳しいルールを破ってリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)の街に繰り出し酒を飲んだことを理由に除名処分を受け、9日に帰国の途に就いていた。

 オランダ選手団は、予選後の彼の行動は「許されざる」行為であり、帰国処分は「やむを得ない措置だった」と述べている。

 弁護士によると、ファン・ヘルダーとその弁護団は裁判所への迅速な不服申し立てを含め、「決勝出場に向けた措置を検討している」という。

 しかし、予選8位の座は既にファン・ヘルダーの代わりにフランスのダニー・ピニェイロ・ロドリゲス(Danny Pinheiro Rodrigues)に与えられている。

 ロドリゲスは、決勝に繰り上げ進出を果たした2人目の選手。1人目は、ウクライナのイゴル・ラジビロフ(Igor Radivilov)で、跳馬で着地に失敗して左脚骨折の大けがをしたフランスのサミル・アイ・サイド(Samir Ait Said)に代わり決勝に進出した。

 ファン・ヘルダーは2009年、オランダ体操選手権での検査でコカインの陽性反応が出たため、1年間の大会出場停止処分を言い渡され、フランスで依存症治療を受けていた。(c)AFP