【5月22日 AFP】イングランドFAカップ(FA Cup 2015-16)を制したマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)監督が、ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)氏の監督就任報道に不快感を示し、自身の成果を強調した。

 21日に行われたクリスタルパレス(Crystal Palace)との決勝で、ユナイテッドはジェシー・リンガード(Jesse Lingard)の目の覚めるようなゴールが決勝点となり、延長戦までもつれた試合を2-1で制した。ユナイテッドはこれで12年ぶりのFA杯制覇を果たし、通算12度の優勝は史上最多記録に並んでいる。

 ところが現地では、試合終了を告げるホイッスルの前からモウリーニョ政権誕生の話題で持ち切りとなり、英国放送協会(BBC)は、ユナイテッドがモウリーニョ氏の監督就任を来週にも正式発表すると伝えていた。

 しかし、ファン・ハール監督は「去就の話はしたくない」としてコメントを拒否。そしてチームは来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)出場を逃したが、状況を考えれば健闘したほうだと主張した。

 報道陣から将来の成功に向けた基盤はできたかと問われ、ファン・ハール監督は「もちろん。私は最初から、クラブは転換期にあると言ってきた」と答えた。

「記者会見で何度も言ってきたが、あらためて繰り返そう。チームは選手を刷新する必要があり、私はそれを実行してきた」

「今季は故障者が続出したにもかかわらず、最後まで(4位争いから)脱落しなかったし、こうしてトロフィーも掲げた。ユナイテッドが最後にタイトルを獲得したのは3年前だ」

「アレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)政権後では、ユナイテッドに初めてタイトルをもたらした指揮官になれたことを誇らしく思う。今日は彼と一緒に写真を撮った。これが歴史的なことだからだ」

 続投できると思うかという質問に対してファン・ハール監督は、目の前に鎮座するFAカップのトロフィーを指し、「私はこうしてみなさんにカップを披露することができた。メディアの方々とその話をするつもりはない」と答えている。

「みなさんによると、私は半年前にクビになったわけだが、どこの監督にこんなことができる?私が成し遂げたことは一体何だったのかな?」

 そしてカップを手に取ったファン・ハール監督は、「お祝いしてくれてどうもありがとう」と皮肉を残し、会見場を後にした。(c)AFP/Tom WILLIAMS