【12月23日 AFP】2015-16アルペンスキーW杯は22日、イタリアのマドンナ・ディ・カンピーリオ(Madonna di Campiglio)で男子回転第2戦が行われ、マルセル・ヒルシャー(Marcel Hirscher、オーストリア)の近くに小型無人機(ドローン)が落下するアクシデントが起こる中、ノルウェーのヘンリク・クリストファーセン(Henrik Kristoffersen)が2本合計タイム1分37秒80で優勝を飾った。

 ドローンはテレビ局が撮影用に飛ばしていたもので、2回目の試技に臨むヒルシャーのわずか数センチ後ろに落ちた。W杯総合4連覇中の王者が試技中に思わぬ事故に遭遇したことで、クリストファーセンの優勝はかすんでしまった。

 すんでのところで大事故を免れたヒルシャーは、自身のインスタグラム(Instagram)に「イタリアの空は大渋滞。#クレイジー #ドローン #クラッシュ #俺ラッキー」と書き込んだ。

 ヒルシャーは、クリストファーセンと1秒25差の2位となった。同じオーストリアのマルコ・シュワルツ(Marco Schwarz)が1秒59差の3位に入り、自身初となる表彰台入りを果たした。

 バンクーバー冬季五輪の同種目で金メダルを獲得している地元イタリアのジュリアーノ・ラッツォーリ(Giuliano Razzoli)は、4位に終わって表彰台を逃した。

 ソチ冬季五輪銅メダリストのクリストファーセンは、先日フランスのヴァルディゼール(Val d'Isere)で行われた今季の回転初戦でも、ヒルシャーを抑えて優勝を飾っており、同種目では連勝スタートとなっている。

 総合順位では、今回2位に入ったヒルシャーが、アクセル・ルンド・スビンダル(Aksel Lund Svindal、ノルウェー)を抜いて首位に立った。3位にはチェーティル・ヤンスルード(Kjetil Jansrud、ノルウェー)が付け、クリストファーセンが4位に入っている。

 20日にアルタバディア(Alta Badia)で行われた男子大回転第4戦では、ヒルシャーがクリストファーセンを退けて優勝を飾ったが、翌日に同じ会場で行われた新種目の男子パラレル大回転では、ヤンスルードとスビンダルがワンツーフィニッシュを飾っており、イタリアではここ数日、ノルウェー勢の活躍が目立つ。

 アルペンスキーW杯はこの後、週末にかけて伊サンタ・カテリーナ・ヴァルフルヴァ(Santa Caterina Valfurva)で男子滑降の第4戦が行われる。(c)AFP