【12月2日 AFP】ロシアのビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)スポーツ相は1日、スキャンダルに揺れる同国の反ドーピング機関(RUSADA)を立て直すため、世界反ドーピング機関(WADA)と基本的な計画に合意したと発表した。

 インタファクス(Interfax)通信は、「行程表に合意した」というムトコ氏のコメントを引用。同氏は、詳細こそ明かさなかったものの、「われわれがしなければならないことは明らかだ」と話している。

 ムトコ氏は、独フランクフルト(Frankfurt)でWADAのデビッド・ホウマン(David Howman)事務局長と面会し、世界の基準を逸脱したRUSADAをどう再建するか、話し合いを行っていた。

 国際陸上競技連盟(IAAF)は先月、WADAの独立委員会が発表した報告書の驚くべき内容を受け、国ぐるみのドーピングを行っていたとされるロシアに資格停止処分を下した。

 この結果、RUSADAと、検査を行っていた研究施設は閉鎖される事態に発展。ロシアは、同国の陸上選手が来年のリオデジャネイロ五輪に出場できるよう、全力を尽くすとしていた。

 WADAの報告書によれば、RUSADAは「日常的に」検査の国際基準を無視して、ドーピング違反を犯した選手たちを競技に出場させていたという。

 RUSADAは、WADAが報告書で発表した組織の「欠陥」について、すでに対応を開始しており、ドーピングを撲滅する姿勢を示している。

 ムトコ氏は、「RUSADAと研究所の信用を取り戻し、新たな認可を受けられるように、再び努力していく」と話した。

「できるだけ早く実行したい。ロシア陸上競技連盟(ARAF)にも同様の対応を期待する」

(c)AFP