【7月22日 AFP】サッカー元アルゼンチン代表のエステバン・カンビアッソ(Esteban Cambiasso)が21日、イングランド・プレミアリーグのレスター・シティ(Leicester City)との契約を更新しない意向を表明し、新シーズン前に退団することが決まった。

 レスターは昨季、34歳のカンビアッソの貢献もあり、多額の放映権収入が見込めるプレミア残留を果たしたが、カンビアッソとクラブの契約は6月で切れていた。

 新指揮官に就任したクラウディオ・ラニエリ(Claudio Ranieri)監督は20日、カンビアッソの意思を早急に確認したいと発言していたが、答えはその翌日に届いた。

 カンビアッソは自身のフェイスブック(Facebook)に、「みなさんにお伝えしたい。レスター・シティとの契約を更新しない決断をした」と投稿した。

「レスターからの要請を受けてからわずか24時間だったが、決断を下すことにした。代わりの選手を見つける時間を、クラブにできる限りたくさん残したかったからだ」

 解任されたナイジェル・ピアソン(Nigel Pearson)前監督の後を引き継ぎ、レスターと3年契約を結んだラニエリ監督は、20日に行われた就任会見で、カンビアッソには残ってほしいと話していた。

 会見でラニエリ監督は、「本人と話をした。話したことは何度もあるし、彼のことは(イタリア・セリエAの)インテル(Inter Milan)時代から知っている。そこで指導したからね。君が必要だと伝えたよ。レスターに関わる全員が君を気に入っている、だから戻って来てほしい」と語っていた。

「彼からは少し待ってほしいと言われた。いろいろな可能性を検討して、それから選びたいと言っていた。しかし、われわれとしては、『イエスかノー』の答えが必要だった」

「今はチーム始動の時期で、彼はチームリーダー。その選手が来ないとなれば、新しいリーダーを探さなくてはならない」

「彼のような選手を欠いてシーズンをスタートさせることはできないんだ」

 アルゼンチン代表として52試合に出場しているカンビアッソは、2010年にインテルで、セリエA、イタリア杯(Italian Cup)、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2009-10)の3冠に貢献している。

 カンビアッソは、レスターでの時間は自らの財産だとし、「すべてのファンに感謝したい。昨季、みなさんが忘れがたいスピリットとエネルギーを示してくれたおかげで、このクラブの一員になれたことを誇りに思えた」と語っている。

「それから、チームメートのみんな、スタッフ、クラブ関係者全員にも格別の感謝を伝えたい。みなさんとともに、キャリアのなかでも特に大切な時期を過ごし、プレミアの地位を守るという栄誉を勝ち取れて幸せだった」

「みんなにありがとう。みんなのことは、いつまでも僕の心に残り続ける。レスター・シティ・フットボールクラブ」

 クラブもカンビアッソに感謝の意を示し、「レスター・シティ・フットボールクラブより、2014-15シーズン、クラブに特段の貢献をしたエステバンに対し、心からの感謝を表明したい。クラブのバークレイズ・プレミアリーグ残留争いにおいて、彼は中心的な役割を果たした」と話した。

「エステバン残留に向けた努力はシーズン中から始めていたが、以来、交渉の過程でエステバン、並びにその代理人が示したプロフェッショナルな姿勢もありがたく思っている」

「われわれはエステバンの希望を全面的に尊重する。今後のキャリアの成功を願っている」

(c)AFP