【3月19日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するザウバー(Sauber)と泥沼の法廷闘争を繰り広げたレーシングドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデ(Giedo van der Garde)が18日、チームとの契約を双方合意の上で打ち切ったと発表した。

 ザウバーで控えドライバーを務めていたヴァン・デル・ガルデは、2015年シーズンのドライバーの1枠を自身に与える契約をチームが無視したとして、この件を法廷に持ち込んでいた。

 ザウバーは今季のドライバーに、多額のスポンサー契約を持つフェリペ・ナスル(Felipe Nasr)とマーカス・エリクソン(Marcus Ericsson)を選んでいた。

 ヴァン・デル・ガルデは自身のフェイスブック(Facebook)ページに、「ザウバーと和解し、双方合意の上で、チームとのドライバー契約を終了することになった」と明かした。

「レースに情熱を傾けるドライバーとして、残念だし、とても落ち込んでいる。8歳で初めてゴーカートに乗ったときから、キャリアを通じて努力を続けてきた。それもこれも、F1ドライバーとして成功を収めるという夢の実現のためだった」

 一方でザウバーは、チームのフェイスブックページで、ヴァン・デル・ガルデの言葉は「驚きだ」と述べた。

「ギドが投稿した声明や非難に対して、われわれは十分な答えを用意している。しかし、この問題を広げることは、チームはもちろん、ファンやパートナーのためにもならない。そんなことをしてもメディアを介した泥仕合が始まるだけであり、それに荷担するつもりもない」

 ヴァン・デル・ガルデは初め、この件をスイスのスポーツ仲裁裁判所(CAS)に持ち込み、自身を残すようチームに命じる判決を勝ち取った。

 そして、オーストラリアGP(Australian Grand Prix 2015)開幕のわずか数日前には、オーストラリアのビクトリア州最高裁判所(Supreme Court of Victoria)がこの判決を支持し、同国内でも有効だとの考えを示していた。

 ザウバーは上訴したものの棄却。これを受けてヴァン・デル・ガルデの弁護団は、それでもヴァン・デル・ガルデを開幕戦のオーストラリアGPに出走させず、契約を尊重すべしとの判決に従わないのであれば、法廷侮辱罪にあたると主張していた。

 ヴァン・デル・ガルデは結局、14日にオーストラリアGP出走の権利を放棄し、そして今回、ザウバーとの契約を終了するに至った。