カタール、外国人労働者に対する賃金改革を推進
このニュースをシェア
■無視された問題
2013年の調査報告書「A Portrait of Low-Income Migrants in Contemporary Qatar」によれば、カタールで就労する外国人労働者のうち、21パーセントは「給与を期日通りに受け取ったことは、時々、たまに、もしくは一度もない」と回答しているという。
一方で、数多くの人権団体や、国際プロサッカー選手会(FIFPro)が廃止を求めていた「カファラ制度(スポンサー制度)」は、今回発表された改革案では議論されていない。
外国人労働者が、国外に転出したり、転職したりすることができないこの仕組みは、「現代の奴隷制度」と議論を呼んでいた。
「懸念点です」と語ったマギーハン氏は、「どうしてこれが後回しなのか。カタール側は肝心な問題に触れることを避けているのではないか」とした。
人権団体はこれまで、雇用者によるパスポートの没収、出国ビザを発給せずに労働者の帰国を妨げる行為、外国人労働者が就職時にその費用を負担する仕組みなどを、改善するよう求めてきた。
カドリ氏は、これらの重要な問題が無視され、カタールが「簡単な問題だけに手をつける」可能性を危惧している。
中東の小国カタールは、今後も国際的なスポーツイベントを招致したいとしており、先日には世界男子ハンドボール選手権(World Men's Handball Championships)が行われたばかり。夏季五輪の開催地にも立候補するものとみられる。(c)AFP/David Harding