■ナダルは故障に苦しむ

 ジョコビッチは今年、ウィンブルドンだけでなく、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2014)、ソニー・オープン2014(Sony Open 2014)、イタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2014)、パリ・マスターズ(BNP Paribas Masters 2014)でATPワールドツアー・マスターズ1000(ATP World Tour Masters 1000)シリーズ4勝を挙げると、中国オープン(China Open 2014)でもタイトルを獲得。ATPファイナル決勝では、対戦相手のフェデラーが腰の負傷で棄権し、不戦勝で優勝した。

 一方のフェデラーは、ウィンブルドンの決勝でジョコビッチに敗れ、グランドスラム通算18勝目を挙げることはできなかった。

 それでも73勝12敗を記録したフェデラーは、キャリア通算で82個目のタイトルを手にしている。

 ツアー参戦16年目にして国別対抗戦のデビスカップ(Davis Cup 2014)初優勝を経験したフェデラーは、勝利でシーズンを締めくくった。

 ナダルは再び、映画のタイトル『そら見えたぞ、見えないぞ!(Now You See Him, Now You Don't)』がふさわしいような1年を送った。

 全豪オープンの決勝でワウリンカに敗れたナダルは、全仏オープンで9度目の優勝を果たし、2005年に19歳で初出場してから、ローラン・ギャロス・スタジアム(Stade Roland Garros)で66勝1敗という驚異の勝率を記録している。

 ナダルは、ウィンブルドンの4回戦で19歳のニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)に敗れると、手首の故障で3か月の欠場を余儀なくされる。

 全米オープンにも出場することができなかったナダルは、その後3大会に出場したものの、虫垂炎の手術に踏み切りシーズンを終えた。