【9月10日 AFP】サッカー国際親善試合が9日、横浜で行われ、日本は2-2でベネズエラと引き分けた。

 アジア王者の日本代表は、またしても守備が悲惨なミスを犯し、2度のリードをふいにしてホームで引き分けに終わった。

 日本はハビエル・アギーレ(Javier Aguirre)監督の初陣となった5日のウルグアイ戦でも、自分たちのミスから0-2の敗戦を招いていた。

 そしてこの日も、日本は交代出場した武藤嘉紀(Yoshinori Muto)、さらに柴崎岳(Gaku Shibasaki)のゴールを勝利につなげられず、横浜はショックに襲われた。

 日本は後半6分、初々しさの残る武藤が左足の強烈なミドルシュートを決め、チームに先制点をもたらした。

 ところがその7分後、水本裕貴(Hiroki Mizumoto)がアレハンドロ・ゲラ(Alejandro Guerra)に対して不用意なファウルを犯し、PKを与えると、これをマリオ・ロンドン(Mario Rondon)に決められて同点とされた。

 それでも日本は後半21分、柴崎が左サイドの岡崎慎司(Shinji Okazaki)からのクロスに巧みなボレーで合わせ、自ら代表デビューを祝ったが、そのすぐ後、冗談のような形でまたしても同点に持ち込まれた。

 ガブリエル・アレハンドロ・シチェロ(Gabriel Alejandro Cichero)が放った30メートルのミドルシュートは、それほど危険なものには見えなかったが、GK川島永嗣(Eiji Kawashima)がボールの処理を誤りゴールイン。あり得ないミスに6万人以上の観客は凍りついた。

 札幌で行われたウルグアイ戦でも、ぎこちない守備からウルグアイに複数ゴールを献上した日本は、ベネズエラを相手にしてもまったく同じように落ち着きを欠いて見えた。後半15分あたりには、細貝萌(Hajime Hosogai)のミスからロンドンにシュートを許し、川島がかろうじて防いだ場面もあった。

 ピンク色のキャプテンマークを巻いた本田圭佑(Keisuke Honda)が狙った直接FKは、ポストをたたいてチーム3点目とはならなかったが、日本は前へ向かう部分では改善の兆しがあった。しかし水漏れの激しい守備の穴を、攻撃で埋めることはできなかった。

 アギーレ監督も、チームの作り直しを託された自らの仕事の大きさを、改めて思い知っているところかもしれない。

 これまでメキシコ代表などを率いてきたアギーレ監督は、試合後に「攻撃では成長が見られたと思うし、新しい血が活躍したのはうれしい。しかし、またしても守備のミスから2失点してしまった。ただの親善試合で良かった」と話した。

 日本はこの後、10月にシンガポールでブラジルという大物との対戦が組まれている。それを含めて今年中に4つの親善試合をこなしたのち、代表は2015年1月、連覇のかかるアジアカップ(AFC Asian Cup 2015)に臨む。(c)AFP