■試合を台無しにしたクック

 ビリー・クック(Billy Cook)の名は、スターダムという言葉ではなく、悪評という言葉で連想する名前だ。

 1915年当時、イングランドのオールダム・アスレチック(Oldham Athletic)でプレーしていたクックは、チームメートとともに優勝争いのさなかにいた。

 ところがミドルズブラ(Middlesbrough FC)との試合で、クックは突然タイトルへの興味を失った。

 レッドカードを提示されたクックがピッチから去ることを拒否すると、主審はもし君が出ていかないのであれば私が出て行くと伝え、試合は中止になった。

 事態を非常に重く見たFAは、クックに1年間の出場停止処分を言い渡し、オールダムはエバートン(Everton)と勝ち点わずか1差の2位に終わった。