【2月1日 AFP】財政難に陥っていた米プロバスケットボール協会(NBA)を世界屈指の人気スポーツに押し上げたデビッド・スターン(David Stern)コミッショナーが、就任からちょうど30年目の2014年2月1日に退任する。

 ニューヨーク(New York)で調製食料品店のオーナーだった71歳のスターン氏は、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)、マジック・ジョンソン(Magic Johnson)、コービー・ブライアント(Kobe Bryant)、シャキール・オニール(Shaquille O'Neal)、レブロン・ジェームズ(LeBron James)といったスター選手の人気を最大限に活用して市場を広げ、ビジネスとしてNBAを再建した。

 スターン氏は「これまで素晴らしい日々だった。とても楽しかった」と語っている。

 スターン氏がNBAの世界に足を踏み入れた当時は、プレーオフの試合でも録画放送されているような状況だったが、今やNBAファイナルは世界215か国、47か語で放送されるまでになった。

「ファイナルでさえも録画放送を余儀なくされていた」と語るスターン氏は、「チームを削減するようなことはしなかったが、4チームは倒産寸前の状態だった」と明かしている。

 かつては弱体化していたNBAも、現在は年間55億ドル(約5600億円)もの収入を生み出すようになり、世界中にファンを広げ、チームの平均価値は6億3400万ドル(約650億円)、選手の年俸は平均400万ドル(約4億円)にまで上昇した。

 スターン氏は、「ここまで来れたことにとても満足している。今後も世界中でNBAを観戦できることを楽しみにしているし、発展していく様子を楽しみたい」と述べた。