JICAは「開発途上国、特にアフリカにおける貧困問題について、今何が起きているのか、また、どんな取り組みがなされているのか」をテーマに若い世代の皆さんと共に考えるオンラインセミナーを2022年3月6日に開催しました。
今回のセミナーではフォトジャーナリスト千葉康由氏(AFP通信)をゲストにお招きし、アフリカの現況についてお話いただきました。千葉氏の報道写真は「2020年 世界報道写真コンテスト」で大賞に選ばれました。日本人としては41年ぶりの受賞です。
講演では、ナイジェリア、ラゴスの水上スラムで生活するアフリカの人々の厳しい状況について、千葉さんが撮影した写真を交えてお話いただきました。
ラゴスの子供たちの授業風景、現地で暮らす子供たちの未来を築くために英語を教えていた情熱的な教師、千葉氏は「貧困」の情況を変える教育の重要さについて語ります。
次のセクションでは、JICA鈴木桃子氏(アフリカ部アフリカ第二課 課長)よりアフリカにおける貧困問題についての現況、そしてこれまでJICAが行ってきた国際協力について具体的にお話がされました。
「アフリカに広がる教育分野の協力「みんなの学校」プロジェクト、ビジネス・イノベーション創出に向けたスタートアップ支援「Project NINJA」、民間連携事業等のプロジェクトにおいて、JICAが行っている“現地に寄り添う”形の課題解決の数々の事例がご紹介されました。
最後のセクションは千葉康由氏と鈴木桃子氏、稲葉久之氏によるクロストーク、「開発途上国における貧困問題」をテーマに3人がディスカッションを行いました。
稲葉氏は以前、JICA海外協力隊やJICA調査員、NGO職員として、アフリカに赴任していた経験をお持ちで今回の司会進行をご担当されました。
最初に千葉氏から2020年世界報道写真大賞の作品に写っていた若者のその後についてのご報告がありました。受賞作品が契機となって、彼はアフリカからオランダに留学し、高校卒業後はアメリカへの留学も決まっていて将来は政治の道を志すようになったエピソードなど、3人のそれぞれの経験から「国際協力を担っている仕事の中で感じたこと」、「支援の難しさ」、「開発途上国の魅力」などについてお話され、活発なディスカッションが交わされました。
当日は大学生を中心とした若者世代130名以上が参加し、chatでの視聴者からパネリストへの質問等、活発なトークが交わされました。
今回はセミナーに参加された視聴者のみなさんに任意で課題レポートを募りました。
課題レポートのテーマは、「本日のセミナーで聞いたアフリカの現状について、あなたご自身はどう考えたのか。また、自分たちと同世代の日本の人々にどんなことをどのように伝えたいと思ったか。」です。
多数の応募レポートの中からJICA賞、AFPBBNews賞、十大学合同セミナー賞の3賞が選出されました。
JICA賞(1名)に選ばれた方は副賞として、JICAのアフリカへの取り組みを発信する「JICAアフリカ広報レポーター」に認定され、JICAウェブサイトに掲載する広報記事制作などの広報活動を担っていただきます。
尚、審査は次の方々にご担当いただきました。
- 千葉康由氏(AFPナイロビ支局チーフフォトグラファー)
- 羽場久美子氏(青山学院大学 名誉教授・神奈川大学 教授・世界国際関係学会アジアパシフィック 会長)
- JICA事務局
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■ 各セクションの詳細は下記からもご覧いただけます。
■ なお本セミナーの全編はJICA公式YouTubeサイトにもアーカイブ掲載しています。