【4月3日 Xinhua News】中国送電大手、国家電網傘下で浙江省杭州市の電力供給を担う国網浙江省電力杭州供電がこのほど、電力設備検査用のロボット犬と無人巡回検査車を組み合わせた運用を開始した。同社から5キロ離れたサイエンスパーク「大華科技園」に無人車で到着したロボット犬は、機敏な動きで車から下りると、通路を横断し、階段を上り、配電室で計器データをスキャン、設備の潜在リスクを評価した。これまで個別の施設で使われていたロボット犬の作業範囲はこれで15平方キロに広がった。

 杭州市では2022年、第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)の選手村地下に設けられた共同溝での運用を皮切りに、変電所や配電室、共同溝などの電力設備の巡回検査にロボット犬を活用してきた。だが航続距離が短く、遠距離移動ができないことなどから、作業範囲には一定の限界があり、運用は個別の施設に限られていた。

 杭州供電は、ロボット犬と無人車を組み合わせた作業モデルを構築し、10キロレベルのエリア間輸送を無人車が担うようにすることで、航続距離の問題を効果的に解決した。ロボット犬は地下通路や階段などの「ラスト100メートル」の複雑な地形を巧みに移動、マルチスペクトルカメラやガス検知器、声紋センサーなどの搭載機器を活用し、設備の状態のチェック、部分放電の監視、異常発熱の検知などの巡回検査作業を実施。無人車とロボット犬のタッグで検査業務の能力は大きく高まった。

 この無人巡回検査システムにはまた、視覚アルゴリズムと人工知能(AI)の大規模言語モデル(LLM)が活用され、設備の表示灯の状態の正確な識別、サーマル画像や声帯振動データの分析、設備の稼働状況や安全上の潜在リスクの判断を自動で行い、分析リポートを作成できる。自然言語による対話を通じ、指揮管理者がタスクの優先順位を動的に調整することもできる。

 プロジェクト責任者の黄迪(こう・てき)氏は「ロボット犬と無人車のペアで、検査エリアの隅々まで昼夜を問わず巡回できるようになった。検査効率は人員による検査と比べ5倍に高まり、検査の死角も大幅に減った」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News