【3月31日 AFP】駐フランス米国大使館が、多くのフランス企業に対し、多様性(ダイバーシティ)推進プログラムの実施に関する警告を発したことを受け、ローラン・サンマルタン対外貿易担当相は31日、「深い衝撃を受けた」と述べた。ドナルド・トランプ米大統領は、多様性推進策に反対する立場を明確にしている。

仏経済省によると、米国と取引のある、または取引を検討中のフランス企業数十社が、米国大使館からこの件に関する書簡を受け取った。その中には、「多様性・公平性・包括性(DEI)を推進するプログラムを実施していない」ことを証明するよう求めるアンケートも含まれていたという。

DEIプログラムは、有色人種や女性など、歴史的に不利な立場に置かれてきた人々に機会を提供するための施策。しかし、トランプ氏とその支持者らは、「差別的であり、能力主義に反する」としてこれを激しく非難している。

サンマルタン氏は、仏民放RTLの取材に対し、「この件について米国大使館と協議する予定だ。この書簡の真意を理解する必要がある」と述べた。

また、エリック・ロンバール経済・財務相も事務所を通じて、「トランプ氏のDEIに対する見解は、われわれの立場と相容れない」とコメントした。

サンマルタン氏は31日、こうした書簡について「フランスや欧州の法律に沿った包括政策を放棄するよう企業に求めるものに等しい」と批判。特に「男女平等、差別や人種差別との闘い、障害者支援に関する多様性の促進などが問題視されている」と指摘した。

「こうした包括政策は、何よりもフランスの価値観に根ざした前進であり、われわれはこの価値に誇りを持っている。決して妥協するつもりはない」と強調。

さらに、フランス企業に送られた警告について、「価値観の問題において、米国が新たな形で治外法権を及ぼそうとしている」と非難した。(c)AFP