中国当局、重金属の河川流出認める 報道受け
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【3月26日 AFP】中国南部・湖南省郴州の当局は26日、有害な重金属が河川に流出したが、すでに制御されていると主張した。メディアは、当局は数日前から流出事故を把握していたとしている。
地元紙・南方都市報によると、当初、郴州と近隣の衡陽の間の川の一部で、監視所が有害物質を検出していた。
郴州の当局は24日、耒水と呼ばれる川で「異常な水質」を検知した後、緊急対応を開始したとしながら、詳細は明らかにしなかった。
複数のメディアは、当局は16日にはすでに、潜在的に有害な重金属であるタリウムの濃度が上昇していることを把握していたと報じた。中国でこうした環境汚染事故をめぐる報道がなされるのは異例。
郴州市政府は26日になって、16日時点のタリウム濃度が通常の少なくとも13倍であったことを認める一方で、「現在は制御されている」と強調した。
タリウムは無味無臭の重金属で、大量に摂取すると神経、肝臓、腎臓などに障害をもたらす恐れがある。
郴州市政府は、地元のセメント工場が流出源だとし、雨水により、最近解体された窯からタリウムを含む粉じんが川に流されたと説明している。
中国は近年、環境汚染に対する取り締まりを強化しているが、多くの地域で工業汚染がなお相次いでいる。一方、習近平国家主席が10年以上前に権力を握り、報道統制を強化して以来、環境事故に関するメディア報道は減少している。(c)AFP/Matthew WALSH, Mary YANG