【3月18日 Peopleʼs Daily】昨年の中国人アウトバウンド旅行客は、さらに遠くまで足を運び、より多くの目的地を訪れ、エキサイティングな旅を楽しんだ。中国とビザ免除協定を結んでいるタイ、シンガポール、マレーシアなどの国々は、人気の旅行先となった。「一帯一路(Belt and Road)構想」に参加している国々は、多くの中国人観光客を惹きつけている。中国のアウトバウンド観光客は、旅行の質や個々のニーズに一層の注意を払うようになり、旅行先の生活をより深く体験したいと考えるようになった。

 記者は複数の旅行会社やオンライン旅行プラットフォームから、中国国民にビザ免除措置を適用している国が、今年の海外旅行先として人気が高く、「行こうと思えば直ぐ行ける」手軽な旅行先となっていることを知った。2023年12月以降、マレーシア、シンガポール、タイが相次いで中国国民に対するビザ免除措置を実施した。その結果、中国人の海外旅行客の多くが、この3か国を旅行先の第一候補に挙げるようになった。

 データによると、昨年12月1日までに、タイは合計621万4000人の中国人観光客を受け入れ、中国がタイにとっての最大の観光客供給国となっている。

 昨年上半期には、延べ145万人の中国人観光客がシンガポールを訪れ、同国に入国した外国人観光客の第1位となった。また昨年1月から9月までの間、250万人を超える中国人観光客がマレーシアを訪れ、19年同期の記録を上回った。

 中国旅游研究院国際研究所の楊勁松(Yang Jingsong)所長は「24年のアウトバウンド観光は回復を続け、19年の水準に近づいた。現在のアウトバウンド観光の顕著な特徴は、観光客が旅行体験の質の高さに大きな期待を寄せていること、市場関係者も高品質な商品開発とサプライチェーンの最適化を求めていることだ。ビザやフライトなど旅行の手配の利便性が大幅に改善され、それがアウトバウンド旅行の増加を後押ししている。東南アジアと北東アジアの近距離旅行先は人気が継続し、一帯一路沿線諸国は多くの中国人観光客を惹きつけている」と分析する。

 中国青年旅行社(CYTS)の話では、24年は海外旅行市場が力強く回復し、海外旅行者数と海外旅行消費額が大幅に増加した。また、中国のオンライン旅行会社「去哪児(Qunar)」のプラットフォームでは、人気の海外旅行都市のホテルの予約件数は50%増加している。

 阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)傘下の旅行サービスプラットフォーム「飛猪(Fliggy)」の統計によると、ユニークな自然や文化に触れることができ、特別な体験ができるニッチな目的地が、今年のアウトバウンド旅行の「ダークホース」で、ナイジェリア、ザンビア、チリ、トルコ、セルビア、カザフスタン、クロアチア、チェコ、ハンガリー、ベルギーなどへの旅行予約が急増したという。

 セルビア国家観光局のマリイャ・ラボヴィッチ(Marija Labovic)局長の話によれば、24年1月から9月までの期間にセルビアを訪れた中国人観光客数は、前年同期と比較して71%増加している。

 24年に入ってから「一帯一路」の沿線諸国の海外旅行市場におけるシェアは一層拡大し、人気は上昇の一途をたどっている。「衆信旅游集団(U-Tour)」によると、カザフスタン、ウズベキスタン、南アフリカ、エジプト、ケニア、タンザニア、ジンバブエなどの国々は、中国人アウトバウンド観光市場を継続的に開拓し、中国人観光客向けの便利なサービスを次々と打ち出し、より多くの中国人観光客を誘致しているという。

「馬蜂窝旅游ネット(Mafengwo)」の関係者が取材に応じ「中央アジアは、新しさを求める若者たちの旅行先となっている。人気テレビドラマ『我的阿勒泰(英題:To the Wonder)』が新疆の観光を促進しただけでなく、同じような風景を持つカザフスタンの観光も促し、同国最大の都市アルマトイは中央アジアの人気観光都市となった」と話している。

 また、世界遺産を数多く有するウズベキスタン観光も大幅に増え、中でもサマルカンド、タシケント、ヒヴァ古城が最も注目されている。昨年12月初めに中国とウズベキスタンの相互ビザ免除協定が締結された後、ウズベキスタン観光の検索数は前月比で97%も増加した。

 中国旅游研究院の戴斌(Dai Bin)院長は「より多くの中国人旅行客が、より良い旅の生活を求め、より良いホテルに泊まり、より美味しい食事を楽しみ、博物館や美術館を訪れ、レベルの高い文化的なパフォーマンスを鑑賞し、小さくても洗練された美しくて温かい現地の生活シーンを発見して、よりディープ旅行体験をしたいと望むようになっている」と話す。

 中国青年旅行社の責任者は「海外旅行をする中国人観光客の消費習慣は変化している。旅行の質をより重視し、より没入感のある旅行体験を追求している。現地の文化や娯楽活動を深く体験したいと考え、体験型消費が大幅に増加している。また、個人のニーズに合わせた高品質な旅行サービスに対しては、喜んで対価を支払うようになった」と説明する。

 また、衆信旅游の責任者の話によると、列車、フェリー、リバークルーズ、熱気球など、現地の特色ある乗り物体験ができる商品や、現地の料理を手作りしたり、馬車に乗って古城を巡ったり、地元の家庭を訪問したりするなど、現地の文化を体験できる商品の人気が高まっているという。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews