【3月5日 AFP】昨年6月から国際宇宙ステーション(ISS)に取り残されている米航空宇宙局(NASA)のブッチ・ウィルモア飛行士は4日、実業家のイーロン・マスク氏が早期救助計画を提案したものの、当時のジョー・バイデン大統領に却下されたとするマスク氏の主張を信じていると述べた。

ウィルモア氏とサニ・ウィリアムズ飛行士は昨年6月、米航空宇宙大手ボーイングの宇宙船「スターライナー」の初有人飛行でISSに到着。当初は8日間の滞在予定だったが、スターライナーの不具合により、現在もISSに留まっている。

2人の長期滞在は論争を呼んでおり、マスク氏とドナルド・トランプ米大統領は、バイデン前政権がマスク氏を「救世主」に見せないため、2人を見捨てたと主張している。

元海軍テストパイロットのウィルモア氏は、「マスク氏の発言は完全に事実に基づいているとしか言えない」「すべての詳細を知っているわけではないが、彼を信じる」と述べた。

マスク氏は最近のFOXニュースのインタビューで、2人は「政治的な理由」で見捨てられたと主張。これに対し、デンマークのアンドレアス・モーゲンセン飛行士は「マスク氏は嘘をついている」と批判した。

NASAは、スターライナーが有人での地球帰還には安全ではないと判断したため、昨年9月にISSに到着したクルードラゴン宇宙船「Crew-9」の2席を空け、両飛行士を帰還させる計画を数か月前から立てていたと説明している。

代替案は公に議論されておらず、またCrew-9の帰還はスペースXによって延期されている。これは、3月12日に打ち上げ予定の「Crew-10」の準備が遅れたためとされる。

マスク氏のモーゲンセン氏に対する反論には知的障害者への差別的表現も含まれており、宇宙関連コミュニティから強い反発を招いた。NASAのスコット・ケリー、マーク・ケリー両飛行士はモーゲンセン氏を擁護し、マスク氏を批判している。(c)AFP