【3月4日 東方新報】深セン市(Shenzhen)工業・情報化局は3日、「深セン市人工知能端末産業発展促進行動計画(2025-2026年)」を発表し、2026年までにAI端末産業の規模を8000億元(約16兆3469億円)以上に拡大し、1兆元(約20兆4337億円)を目指すことを明らかにした。

 この計画では、2026年までにAI端末産業の競争力をさらに強化し、「深センブランド」を際立たせ、産業エコシステムの充実を図ることが目標とされている。産業規模の拡大だけでなく、10社以上の代表的なAI端末企業を育成し、年間生産台数を1.5億台以上に増やすことが掲げられている。さらに、スマートフォンやPC、大規模AIモデル統合機、ウェアラブル端末など50種類以上の人気AI端末製品を開発し、スマート製造、金融、都市管理、高齢者支援、行政サービスなど60以上の分野でAI端末の実用化を進める。

 行動計画では、AIスマートフォン、AIコンピューター(デスクトップPCやノートPCを含む)、AIタブレット、大規模AIモデル統合機、AIウェアラブルデバイス(スマートグラス、スマートウォッチ、AR/VRデバイスなど)、AIイメージングデバイス、スマートホーム製品、産業用AI端末、その他の新型AI端末といった9つの主要分野が重点的に取り組まれる。

 特に、AIスマートフォンに関しては、深センのスマートフォン産業が国際市場および国内市場での競争優位性を維持できるよう、チップ、OS、AIエージェント、アプリケーションエコシステムの統合能力を強化する方針を示している。さらに、ユーザーの意図を理解し、能動的なAIサービスを提供することで、従来の「スマートツール」から「スマートアシスタント」への進化を目指す。

 また、大規模AIモデル統合機については、AIモデルのオープンソース化の流れを活かし、即座に利用可能な訓練・推論統合機や推論機の開発を加速する。特に、金融、医療、オフィス業務向けに、カスタマイズ可能で軽量なソリューションを提供し、安全かつ効率的なエンドツーエンドのAI活用環境を整備する。

 AIウェアラブルデバイスに関しては、スマートグラス、スマートウォッチ、スマートイヤホン、AR/VRデバイスの開発が強化される。空間認識やリアルタイム翻訳、健康モニタリングといった個人向けの用途だけでなく、産業検査、遠隔医療、災害救助など企業向けの用途にも対応し、世界市場に向けた高コストパフォーマンスの製品開発を進める。

 スマートホーム分野では、AI搭載のスマートテレビを開発し、パーソナライズされたエンターテインメント体験を提供する。また、スマートスピーカーやスマートロック、ロボット掃除機などの家電製品をAI対応させ、家庭内のエンターテインメント、セキュリティ、自動家事、健康管理などの場面でシームレスな連携を実現する。家庭空間を「受動的応答型」から「能動的認識型」へ進化させ、環境認識や自律判断、感情インタラクション機能を持つ「デジタルホームライフシステム」を構築する計画だ。

 この行動計画には、AI端末の基盤技術を向上させるための取り組みも含まれている。OSの機能を最適化し、AIチップのコア技術開発を推進し、次世代ディスプレイ技術を強化することで、AI端末のユーザー体験を向上させる。さらに、多モーダルセンサーの研究開発を進め、AI端末の感知・インタラクション能力の強化を図る。

 また、深セン市は、AI端末企業の成長を支援するため、ビジネス環境の最適化やグローバル企業の誘致を推進する。スタートアップ企業への支援も強化し、深センをAI端末産業のハブとして確立することを目指している。企業が海外市場へ展開しやすくするため、展示会やイベントでの製品露出を増やし、国際市場での販売機会を拡大する方針だ。

 このほか、政府は設備更新や消費品の買い替えを支援する政策を活用し、AI端末企業への資金提供を強化する。20の先進製造業向け工業団地を活用し、AI端末企業に適正価格の製造スペースを提供する。さらに、「訓練リソース補助」「データ補助」「モデル補助」などを通じて企業のAI導入コストを削減し、AIモデルの法規対応を迅速化することで、市場導入をスムーズに進める。

 この行動計画により、深セン市はAI端末産業の世界的リーダーを目指し、技術革新と産業競争力の強化を加速させる。(c)東方新報/AFPBB News