【3月11日 Peopleʼs Daily】新エネルギー車1台を製造するには、1万点以上のハードウェアとソフトウェアを「ビーズを糸でつなぐように」組み合わせる必要がある。

 運転席に座っているだけで、はるか遠くの鉱山の無人掘削機を遠隔操作することもできる。

 昨年11月に開催された「第2回中国国際サプライチェーン促進博覧会(China International Supply Chain Promotion Expo)」では、中国の製造業のハイエンド、インテリジェント、グリーンな生産の発展状況と国際協力によるサプライチェーンの「ウィンウィンの連鎖」が紹介された。

 2024年の中国経済は概ね順調に推移し、着実な進歩を遂げている。特に、新しい質の生産力が着実に発展し、新たな成長の原動力が絶えず勢いを増しており、年間目標と任務の実現に強力な推進力を与え、経済と社会の質の高い発展の強力な支えとなっている。

 中小型企業は、イノベーションの推進、雇用の促進、人びとの生活向上の重要な原動力だ。新しい質の生産力を含む産業チェーンを構成する企業は中小型のものが最も多い。

 膨大な数の中小型企業を観察することは、中国経済の脈動を直感的に把握する最善の方法である。

 現在、より多くの伝統的な分野の工場がデジタル化とスマート化のアップグレードを遂げ、活気に満ち溢れている。

 安徽省(Anhui)の界首市(Jieshou)の紡績会社の生産現場に入ると、ペンキの汚れや機械の轟音、機械油の刺激臭は全く感じられない。この企業の主要設備のデジタル制御率は100パーセントで、単位当たりの生産量は30パーセント増加し、織糸1トン当たりの総合エネルギー損耗率は25パーセント削減されたという。スマート制御システムにより、わずか数人の作業員で生産ライン全体が管理できている。この県級市のデジタル化された紡績工場は、数千万の中小型企業のデジタル化転換の全体的すう勢をよく反映している。

 中国の製造業は「スマイルカーブの底辺にある」とよく言われる。すなわち、製品生産の上流(企画、設計など)と下流(販売、アフターサービスなど)に比べ中流(製造、加工)の利益率が低く、グラフ化するとあたかも微笑むような形のカーブの中央のへこんだ部分だと言われていた。

 しかし今日、小規模な工場でもデジタル化の助けを借りて、スマイルカーブの両端の高利益のエリアにまで手を広げ始めている。

 一部のデジタルプラットフォームは、3D知能デザインツールを立ち上げ、デザインの敷居を大幅に下げた。中小型企業に専門のデザインチームがなくても、これを使えば個性化されたカスタム製造の需要に応えることができる。また、データベースに基づく「AIデザイナー」のデジタルプラットフォームもあり、小規模な工場でも、製作したい服装のデザイン要素を入力するだけで様々なスタイルの服装を生み出す手助けを得ることができる。データによると、中小型企業の98.8パーセントがすでにデジタル変革に着手しているという。

 スマート工場が中国の知能製造の高さを代表するものだとすれば、数百万社の伝統的工場の構造転換とアップグレードは、中国の知能製造の広がりを表すものだ。これらを合わせると、効率的で柔軟でスマートな産業チェーンとサプライチェーンの構築の強固な基盤となる。

 デジタル化と知能化によるアップグレードは、生産プロセスの再構築と製品の品質向上だけでなく、無数の伝統的工場がその影響力を拡大し、より効率的な産業チェーンとサプライチェーンの生態システムを形成することを可能にする。

 中小型企業の顧客獲得は容易なことではない。どうすれば迅速に注文が得られるだろうか? 産業用インターネット(IoT)は、より正確に需要と供給を一致させることができ、小規模な工場でも小ロットの注文に迅速に対応する柔軟性を与えることができる。

 江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)の機械加工工場では、かつて深刻な受注減に見舞われたことがある。苦境に立たされたこの会社は、上海の産業用インターネットサービスプラットフォームに加入した。このプラットフォームは、ソフトウェアを使用して注文図面を分析し、この会社のために適切な工場とのマッチングを手配した。おかげで、同社は医療、航空、自動化機械など、複数の業界からパーツの注文を受けることができ、経営難を脱した。

 小規模な工場でも大きなつながりを生み出し、サプライチェーンをさらに強靭にすることができる。江蘇省の精密加工会社は、デジタル取引プラットフォームに参加した後、数か月にわたる技術研究を経て、外国のハイテク電解槽会社にコア部品である「バイポーラプレート(双極板」を提供するようになった。取引額は大幅に増加し、年間生産額は600万元(約1億2882万元円)から1000万元(約2億1470万円)へと急増した。

 デジタル化を通じて、数多くの中小型企業が海外企業のコアサプライヤーとなり、自社の発展と成長を実現しただけでなく、中国と世界を経済的に緊密な関係にすることにも成功している。

 小規模な工場も大きな市場を開拓することができ、国境を越えた電子商取引が新たな革新的な方法で発展する可能性がある。

 グローバル化を進めるサービスプロバイダー企業の本社オフィスでは、大型スクリーンに海外からのリアルタイムの市場「シグナル」が表示されている。海外のソーシャルメディアから得られるビッグデータを分析することで、オンラインショップでどの製品が最も注目を集めクリックされているか、また、何人が注文を入れたか、代金支払い手続きに入っているかを確認できる。これによりさらに正確な生産と販売計画を立てることができる。小規模な工場は、小ロット、多様性、迅速な対応という利点を活かして、海外消費者の需要にタイムリーに対応することが可能である。

 伝統的な工場のデジタル化・知能化への転換を、経済発展の全体像の観点で見ると、あたかもそれは中国経済という身体に張り巡らされた毛細血管のような存在だ。この毛細血管の中小型企業は、広大な転換の旅路へ歩み始めている。

 これで、新しい生産力の育成に無限の創造力の空間を広げ、経済成長の無数の活発なエンジンを孵化させることができる。

 工場のスマート化の背後には、従来型の運動エネルギーから新型のエネルギーへの加速的な転換、経済構造の持続的な最適化改善、中国経済の質の高い発展の実現という「時代の潮流」があるのだ。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News