【2⽉14⽇ Peopleʼs Daily】2024年11月30日午後10時25分、中国・海南省(Hainan)文昌市(Wenchang)にある海南衛星商業打ち上げ場の2号射点で、新型運搬ロケットの長征12号(Long March 12)が離陸した。同日午後10時48分、ロケットに搭載された衛星インターネット技術試験衛星と技術試験衛星03星は予定の軌道に投入された。中国初の衛星商業打ち上げ場での打ち上げは成功した。

 中国は1950年代から、酒泉(Jiuquan)、太原(Taiyuan)、西昌(Xichang)の衛星打ち上げ場を建設した。文昌衛星打ち上げ場は敷地面積が1万ムー(約6.67平方キロ)余りで、ロケットの負荷能力の向上や打ち上げコストの削減などに対応するために2014年に建設され、2016年に最初の衛星打ち上げが実施された。文昌衛星打ち上げ場は、中国初の外部に開放された沿海部の衛星打ち上げ基地だ。海南衛星商業打ち上げ場はそこから約3キロ離れた場所に建設され、敷地面積は2500ムー(約1.67平方キロ)余りだ。

 海南省は2022年6月、中国初の衛星商業打ち上げ場の建設を打ち出し、運営企業の海南国際衛星商業発射が設立された。打ち上げ場の着工は1か月後で、2023年12月には中国の次世代中型ロケット長征8号(Long March 8)の専用射点である1号射点が完成した。2024年6月には中国初の汎用中型液体ロケット射点の2号射点が完成した。射点2か所の現在の年間打ち上げ能力はいずれも16回だ。

 建設中の文昌国際宇宙城ロケット産業パーク内には、衛星スーパー工場が設けられる。航空宇宙分野で20年以上働き、衛星スーパー工場の建設にも携わる王世程(Wang Shicheng)氏は「自動車と同じように衛星を作ることができます」と説明した。

 海南国際衛星商業発射の楊天梁(Yang Tianliang)会長は、「商業宇宙事業はロケットと衛星の開発、衛星の運用と応用、地上設備の製造とサービスなどを含みます。『商業』とは、市場指向を堅持せねばならないことです。建設、生産、打ち上げ、運用などの全産業チェーンのすべてでコストを削減し、効率を高めてこそ、より多くの企業の参加を誘致することができます」と説明した。

 運搬ロケットを開発する海南天兵科技の馬磊(Ma Lei)副社長は衛星商業打ち上げ場について「打ち上げ頻度が高いことで、ロケットの研究開発企業はより多くのデータを獲得でき、中国のロケット分野全体の進歩が加速します」と述べた。同社はロケット組み立て試験場の建設を急いでいる。新たに開発された大型液体運搬ロケットの天竜3号(Tianlong 3)は間もなく2号射点で初の打ち上げに挑む。

 恩恵を受けているのは天兵科技だけではない。2号射点は汎用化設計を採用しており、少なくとも10社以上のロケット会社の19タイプのロケットの打ち上げに対応する。すなわち中国の主流の商業ロケットには基本的に対応できる。海南国際衛星商業発射はロケット会社が利用できる発明について、すでに22件の特許を出願したという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News