【4月24日 東方新報】4月の北京市、春の気配が満ち溢れ、木々には花が咲き誇っている。20日の朝早くから、都市の東部にあるファッションの集まる朝陽区(Chaoyang)の商業施設、THE BOX朝外B館の前ではすでに長蛇の列ができている。この日、北京初のTSUTAYA BOOKSTORE、北京朝陽THE BOX店が正式にオープンし、多くの読書愛好家がこの店を訪れ、商品を選び、見入ることや写真を撮ることで、この場所でユニークな文化体験を期待している。

 店内に入ると、独特な内装が目を引く。約9メートルの高さの本棚がデザインの特徴だ。店舗は3階建てで、朝外大街に面した窓際には読書スペースが設けられており、読書の合間に賑やかな街の景色を楽しむことができる。

 この店舗では、約3万3000冊の書籍を取り揃えており、中国の出版界からのさまざまな本だけでなく、豊富な日本語と英語の書籍もある。これらの書籍は伝統的な図書館の分類方法に従わず、生活習慣に基づいて展示されている。

 TSUTAYA上海本社の広報担当者の何坤(Hekun)氏は東方新報(Toho Shinpo)に次のように説明している。「展示台には書籍だけでなく雑貨も置かれており、その核心テーマは一致している。ファッションツールをテーマにした展示では、ファッションに関する書籍や歴史書、アクセサリーなどが並べられており、興味を持つ人びとにとっては満足感が大いに高まる」。今後、北京朝陽THE BOX店では、読書会、作家のサイン会、ブランド発表会などのイベントを不定期に開催する予定だ。

 北京の「90後」であるオフィスワーカー、Jenn(ジェン)さんはTSUTAYA公式微信(ウィーチャット、WeChat)ミニプログラムで1週間前に予約を入れていた。インタビュー時、彼女は北京朝陽THE BOX店のコーヒーを飲み終えたばかりで、気に入った書籍や文具を選んでいた。

「ここの文具がとても気に入っている。今日は何も買わずに帰ることはない」と彼女は述べ、普段から読書やクリエーティブな商品、コーヒーを楽しむと語り、このような総合的な消費体験が自分の生活にとても合っていると感じている。

 北京朝陽THE BOX店の3階には、中国初となる「SHARE LOUNGE」(共有ラウンジ)が設けられており、その魅力的なスペースが注目を集めている。これはTSUTAYAが2019年に日本国内で導入した新しい業態で、ショッピングの合間に休憩するためのカフェスペース、集中して作業や勉強をするための個人スペース、複数人で議論するためのブースなど、さまざまなニーズに応える細やかな空間設計が施されている。

 現在、北京市朝陽区だけでも217軒の書店がある。激しい業界競争の中で、書店は単に書籍を販売するだけでは生き残れない。この点について何坤は、「当店では書籍、コーヒー、雑貨を買うだけでなく、店内で開催されるイベントを通じて趣味の合う友達と出会い、新たなスキルを磨くための多くのインスピレーションを得ることができる」と述べている。

 TSUTAYAはすでに杭州市(Hangzhou)、上海市、西安市(Xi’an)、天津市(Tianjin)など、中国の多くの都市に店舗を構えている。現在、中国には合計で12軒の店舗がある。(c)東方新報/AFPBB News