【4月24日 AFP】米女子プロバスケットボール(WNBA)のブリトニー・グライナー(Brittney Griner)が、ロシアで収監されていた時期について、「人間以下」になったように感じ、自殺を考えたこともあったと明かした。

 グライナーは2022年2月に違法薬物密輸の疑いによりロシアの空港で逮捕され、懲役9年の有罪判決を受けると、矯正労働収容所に移送されたが、同12月に囚人交換で釈放された。

 5月に放送される米ABCテレビによるインタビューの抜粋で、「すべてを終わらせる」ことを考えたときはあったかと問われたグライナーは、涙ながらに「ええ。乗り越えるのは無理だと思った」と語った。

 懲役9年を言い渡されたときは「分からないことが多すぎて、何もかもがすごく怖かった」。9か月服役した所内の劣悪な環境にも言及し、「マットレスには大きな血痕が残っていて、石けんも、トイレットペーパーもなかった。自分が人間以下だと感じた瞬間だった」と明かした。

 グライナーは、大麻オイル入りの吸引カートリッジを持っていたとして逮捕・起訴された。本人は後に法律違反を犯すつもりはなかったと話し、カートリッジを持っていたのは偶然だったと証言。インタビューでは、カートリッジが荷物に入っているのに気づいたときのことを聞かれ、「人生が終わった」と思ったと答えている。

 当時はグライナーを含めた一部の米国選手が、WNBAのオフシーズンの収入源としてロシアでプレーしていたが、釈放後のグライナーは、国外でプレーすることは二度とないと話している。

 インタビューの本編は5月1日に放送予定。同月にはロシアでの苦難をつづった回顧録も出版される。(c)AFP