【4月22日 AFP】国際自動車連盟(FIA)のモハメド・ビン・スレイエム(Mohammed Ben Sulayem)会長が、昨年フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のラスベガスGP(Las Vegas Grand Prix )開催に介入したとされる問題で疑惑が晴れたことを受けて、「隠すことは何もない」と話し、「ルールに従って振る舞っている」と主張した。

 この件では、初開催だった昨年のラスベガスGP前に会長が、「サーキットを認定するのを防ぐために、いくつか懸念事項を見つけるよう」関係者に要請していたとFIAの内部報告書で告発されていた。またFIAの倫理委員会からは、昨年のサウジアラビアGP(Saudi Arabian Grand Prix 2023)の結果に介入したと告発されていたが、いずれも疑惑は解消された。

 週末に行われた中国GP(Chinese Grand Prix 2024)の会場でメディアの取材に応じたスレイエム会長は、「単なる告発であればよかったが、私はすでに世論による判断では有罪となっている」とした上で、「隠すことは何もない」「自分の成してきた仕事に誇りを持っている」と続けた。

 アラブ首長国連邦(UAE)出身の元ラリードライバーであるスレイエム氏は、2021年12月にFIAの会長に就任。会長がラスベガスGP開催を阻止しようとした理由はこれまで一度も説明されていないが、F1の商業権を保持し、ラスベガスGPも主催した米リバティメディア(Liberty Media)とFIAとの間には、F1への影響力をめぐる綱引きがあるともされている。

 それでもスレイエム会長は、フォーミュラワン・マネジメント(FOM)との関係は「良好」で、「FOMはわれわれのパートナーだ」と強調すると、「問題は何もない。彼らとのビジネスを続けていきたい」と話した。

 これまでの告発についても、ルールを守っているとの意見を崩さず、「私は背筋を伸ばし、あなた方の目を見てこう言える。自分はスポーツマンで、ルールに従って振る舞っている」とコメントした。(c)AFP