【4月13日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で暮らすパレスチナ人5人が11日夜、ドイツ政府を相手取り、イスラエルへの武器輸出許可を取り消すよう求めてベルリンの行政裁判所に提訴した。5人を代理するNGO「欧州憲法人権センター(ECCHR)」が12日、明らかにした。

 裁判所の報道官によれば、5人は、南部ラファ(Rafah)を含むガザ地区在住。「既に許可された対戦車兵器の引き渡しに異議」を唱えるとともに、まだ許可されていないものについても引き渡しの中止を求めている。

 訴えられたドイツ経済省は、2週間以内に答弁書を提出しなければならない。

 5人は、独政府が国連(UN)のジェノサイド(集団殺害)条約などの国際法に違反していると主張している。同条約は、ナチス・ドイツ(Nazi)によるホロコースト(ユダヤ人集団殺害)を契機に1948年に制定された。

 欧州憲法人権センターのウォルフガング・カレック(Wolfgang Kaleck)事務局長は、「国際人道法の重大な違反であることが明らかな戦争に武器を輸出すれば、ドイツはその価値観に反していることになる」と指摘した。

 同センターによれば、5人とも、昨年10月7日以降のイスラエルによるミサイル攻撃で家族を亡くしている。

 スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によれば、ドイツは米国に次ぐ世界第2位の対イスラエル武器輸出国で、2019~2023年にイスラエルが輸入した武器の30%を供給した。(c)AFP