【4月11日 AFP】8日に北米各地で見られた皆既日食を不安視した米国の占星術インフルエンサーが、パートナーの男性を刺殺した後、実子2人を走行中の車から突き落とし、そのまま木に激突して死亡した。現地紙ロサンゼルス・タイムズが10日、報じた。

 自らのウェブサイトで毎週、「オーラの浄化」をうたい星占いをしていたダニエル・ジョンソン容疑者は、今週の皆既日食についてフォロワーに「スピリチュアル戦争の縮図」だと語っていた。

 4日には「ダニエル・アヨカ」というユーザー名でX(旧ツイッター)に「身を守り、心を正しなさい」と投稿。「世界は今、明らかに変わりつつある。もしもどちらかを選ぶ必要があるならば、人生で正しいことをすべき時は今だ」と投稿した。

 ジョンソン容疑者は6日未明、空軍退役軍人のパートナーをナイフで刺殺。9歳と生後8か月の実子2人を連れてポルシェ(Porsche)のスポーツ用多目的車(SUV)「カイエン(Cayenne)」に乗り込んだ。

 夜明け前の州間高速道路405号線を猛スピードで走行しながら、子どもたちを車外に突き落とした。

 30分後、パシフィック・コースト・ハイウエー(Pacific Coast Highway)で高級車が木に激突したとの通報を受けて駆け付けた警察がジョンソン容疑者の遺体を発見。車は時速約160キロで衝突したとみられ、容疑者の遺体は身元確認が困難なほど損傷が激しかったという。

 身元判明後、容疑者の自宅アパートを訪れた警察は、血まみれの足跡と容疑者のパートナー、ジェイレン・アレン・チェイニーさん(29)の遺体を発見。チェイニーさんは心臓を刺されていた。

 一家の中で、車から突き落とされた9歳の子どもだけが生き残った。

 ロサンゼルス・タイムズが引用した警察筋の話によると、ジョンソン容疑者とXに投稿した「アヨカ」は同一人物だと確認されている。

 日食は有史以前から、世界終末の予言と結びつけられてきたが、科学者たちは何の根拠もない陰謀論だとしている。(c)AFP